ユイ
発表の練習中に「声が途切れる」と言われました。相手の顔はなめらかなのに。上りは、何Mbpsあれば足りるんでしょうか
ピコ
数字の前に、画面のすみを見て。10GBの動画が、まだ送信中だよ
アップロード速度(上り)の目安は、ビデオ会議で4Mbps、YouTubeのフルHD(1080p・60fps)のライブ配信で約21Mbpsです。ファイルを送る時間は「容量(GB)×8,000÷上りの速度(Mbps)」秒で、10GBを上り10Mbpsで送ると2時間13分かかります。
ユイの上りは10Mbpsで、会議の目安の4Mbpsを超えていました。それでも声が途切れたのは、送信に2時間13分かかる動画と、会議の通信が重なっていたためです。速度の数字に加え、同じ時間に何を送っているかも確かめます。
アップロード速度の目安は何Mbps?用途ごとの早見表
| 用途 | 上りの目安 | もとにした公式の数字 |
|---|---|---|
| 会議(声だけ) | 0.1Mbps | Zoom 60〜80kbps、Google Meet 100kbps、Teams 58kbps |
| 会議(顔を映す・720p) | 1.2〜2.6Mbps | Zoomは1対1で1.2Mbps、グループで2.6Mbps。Google Meetは最大1.7Mbps |
| 会議(フルHD・1080p) | 4Mbps | Zoom 3.8Mbps、Google Meet 最大3.6Mbps、Teams 2.5〜4.0Mbps |
| ライブ配信(720p) | 約10Mbps | YouTubeの推奨8Mbpsに、音声と2割の余裕 |
| ライブ配信(1080p・60fps) | 約21Mbps | YouTubeの推奨17Mbpsに、音声と2割の余裕 |
| 動画の投稿・クラウド保存 | 数字の目安はない | 容量と締め切りで決まる(次の表) |
※ 2026年10月10日に各サービスの公式ヘルプで確認。1,000kbpsが1Mbpsです。Teamsは推奨が2.5Mbps、最高の品質が4.0Mbps。YouTubeは、H.264という方式で送る場合の値です。
上りが安定して4Mbps出ていれば、Zoom・Google Meet・Teamsが示すフルHDの値を、3つとも満たします。声だけなら、その40分の1で足ります。
最後の行にだけ、数字がありません。ファイルは、上りが遅くても待てば届くからです。決まるのは、かかる時間のほうです。
アップロード時間は何分かかる?容量(GB)×速度(Mbps)の早見表
アップロードにかかる秒数は、「容量(GB)×8,000÷上りの速度(Mbps)」で出せます。
| 上りの速度 | 1GB | 10GB | 100GB | 650GB |
|---|---|---|---|---|
| 5Mbps | 26分40秒 | 4時間27分 | 1日20時間 | 12日1時間 |
| 10Mbps | 13分20秒 | 2時間13分 | 22時間13分 | 6日 |
| 30Mbps | 4分27秒 | 44分27秒 | 7時間24分 | 2日 |
| 100Mbps | 1分20秒 | 13分20秒 | 2時間13分 | 14時間27分 |
| 250Mbps | 32秒 | 5分20秒 | 53分20秒 | 5時間47分 |
| 1Gbps | 8秒 | 1分20秒 | 13分20秒 | 1時間27分 |
※ 1GB=1,000MBで計算し、1時間以上は分まで、1日以上は時間までに丸めました。上りが一定で、すべてをファイルに使えたときの最短の時間です。あて先などの情報を運ぶのにも線を使うため(有線LANの計算例では、100Mbpsの線でデータに使えるのは最大94.9Mbps)、実際はこれより長くなります。
速度の欄には、契約の数字ではなく、測った上りを入れます。計算どおりの「2秒」で届くと決めて締切を落とす話が、物語の第30話にあります。
この式で間違えやすいのは、8,000の「8」です。回線の速さはビット(b)、ファイルの大きさはバイト(B)で数え、1バイトは8ビット。250Mbpsは「1秒に250MB」ではなく、8で割った約31MBです。
650GBを250Mbpsで送る時間は、650×8,000÷250=20,800秒で、5時間46分40秒。8で割り忘れると、これが43分に見えます。単位の読み分けはMbpsとはで確かめられます。
締め切りが先にあるなら、式を逆に使います。要る上り(Mbps)=容量(GB)×8,000÷使える秒数。10GBを1時間(3,600秒)で送りきるには、約22Mbpsです。
速さとは別の上限もあります。Google Workspaceのドライブは、1人が24時間にアップロードやコピーできる量を750GBまでとしています。650GBは、その内側に収まる量です。
10GBを上り10Mbpsで送ると、2時間13分。そのあいだ、空いている上りはファイルが使い続けます。ユイが発表の練習を始めたのは、その最中でした。会議は、そこへあと何Mbps要るのでしょうか。
Zoom・Google Meet・Teamsは、上りを何Mbps使う?
| サービスと条件 | 上り | 下り |
|---|---|---|
| Zoom・720p(1対1) | 1.2Mbps | 1.2Mbps |
| Zoom・720p(グループ) | 2.6Mbps | 1.8Mbps |
| Zoom・1080p | 3.8Mbps | 3.0Mbps |
| Zoom・声だけ | 60〜80kbps | 60〜80kbps |
| Google Meet・720p | 最大1.7Mbps | 最大1.7Mbps |
| Google Meet・1080p | 最大3.6Mbps | 最大3.6Mbps |
| Google Meet・声だけ | 100kbps | 100kbps |
| Teams・会議(推奨) | 2.5Mbps | 4.0Mbps |
| Teams・会議(最高の品質) | 4.0Mbps | 4.0Mbps |
| Teams・声だけ(推奨) | 58kbps | 58kbps |
※ Zoomは推奨の帯域、Google Meetは小規模な組織や個人での1人あたりの帯域、Teamsは端末1台あたりの帯域です。Teamsの推奨は、最大1080pの映像を想定しています。
ZoomでHDにしないとき(表記は「高品質の映像」)は、1対1で600kbps、グループで上り1.0Mbps。画面共有だけなら50〜75kbpsです。

回線の状態に合わせた調整についても、3社は説明しています。Zoomは回線の種類に合わせて自動調整し、帯域が足りない場合、Google Meetは映像の解像度を下げ、Teamsは映像より音声を優先します。
ユイの上りは10Mbps。数字の上では足りています。足りなくなっても、先に下がるのは画質のはずです。それなのに、途切れたのは声でした。
上りは足りているのに、なぜ声だけ途切れる?
同じ上りを、ファイルの送信と取り合っていたからです。
上りを、家から外へ出ていく一本の車線だと考えてみます(実際に、上り専用の線が別に引かれているわけではありません)。会議の声も、10GBの動画も、同じ車線に乗ります。ファイルの送信は、空いているぶんを使い切ろうとします。車線が埋まると、声の小さな荷物は、待たされたり、こぼれたりします。

ユイ
話し方のせいだと思って、説明を短くしていました
マコト
直すのは話し方じゃなくて、出口のほうだね。一本の車線に、荷物を二つ出していたんだ
Teamsの資料は、症状ごとに候補を分けています。動きが遅いなら帯域の不足。通話が途切れたり、声がロボットのように聞こえたりするなら、届く間隔の乱れ(ジッター)やパケットロスです。
直し方は、会議のあいだだけ送信を止めることです。OneDriveなら、画面のすみの雲のアイコンを右クリックし(Macはcontrolキーを押しながらクリック)、2時間・8時間・24時間から選びます。時間が来ると、同期は自動で再開します。
止めたときだけ途切れが減れば、原因は送信の重なりです。変わらなければ、カメラ・端末・Wi-Fiをビデオ通話で自分だけ固まる原因の順番で確かめます。
会議は、車線が狭くなれば画質を下げて走り続けます。決めた量を送り続けるライブ配信は、そうはいきません。
ライブ配信の上りは、ビットレートの何倍あればいい?
この記事では1.2倍で計算します。YouTubeは、配信の合計ビットレートが上りを超えてはならないとし、20%の余裕を勧めています。予備の配信も同時に送る場合は、そのぶんも足します。指定の送り方は、ビットレートを一定に保つ方式(CBR)です。
| 解像度 | 推奨の映像 | 最小の設定 | 余裕を足した上り |
|---|---|---|---|
| 720p(30・60fps) | 8Mbps | 3Mbps | 約10Mbps |
| 1080p・30fps | 14Mbps | 5Mbps | 約17Mbps |
| 1080p・60fps | 17Mbps | 6Mbps | 約21Mbps |
| 4K・60fps | 50Mbps | 14Mbps | 約60Mbps |
※ YouTubeの公式ヘルプにあるH.264の値(2026年10月10日確認)。右端は、推奨の映像に音声128kbpsを足して1.2を掛けた、この記事の計算です。AV1・H.265という方式で送るなら、推奨は1080p・60fpsで12Mbpsです。
上りが10Mbpsなら、720pの推奨がちょうど収まります。1080pで送りたいときは、最小の設定(60fpsで6Mbps)まで下げられます。
YouTubeは、本番に近い音と動きで、配信の前にテストするよう案内しています。配信した映像が見る人へ届くまでの道は、ライブ配信の仕組みにあります。
用途の目安が分かったら、自分の上り速度と比べます。ただし、速度テストを開いて最初に出る数字が、上りとは限りません。
自分の上りは何Mbps?測り方と、結果の読み方
Netflixの速度テストFast.comは、開くと下りを測ります。「詳細を表示」を押すと、上り(アップロード)と反応の遅れ(レイテンシ)が出ます。
| 画面の数字 | 表すもの | 効く場面 |
|---|---|---|
| 上り(アップロード) | 1秒に送り出せる量 | 自分の声と映像、投稿、配信 |
| 下り(ダウンロード) | 1秒に受け取れる量 | 動画を見る、相手の映像 |
| レイテンシ | 行って戻るまでの時間 | 会話の間、ゲームの反応 |
下りが大きく、上りが小さくても、故障ではありません。YouTubeの案内にも、下りは上りより大きいことがよくある、と書かれています。
測るときは、条件をそろえます。
- 困る時間と場所で、会議や配信に使う端末のまま3回測り、真ん中の値をとる
- 同期・バックアップ・動画の投稿を止めて、もう3回測る
- Wi-Fiなら、ルーターのそばと、できれば有線でも測る
- 変える条件は一度に一つにし、値と時刻をメモする
| 結果 | 次に見る所 |
|---|---|
| 送信を止めると良くなる | 上りの取り合い。会議の前に送信を止める |
| ルーターのそばや有線だと良くなる | Wi-Fi。ルーターに近づくか、5GHz帯につなぐ(届く範囲は狭い) |
| 測るたびに大きく揺れる | 速さより安定。インターネットが遅い原因の順に確かめる |
| 有線で、日と時間を変えても足りない | 回線そのもの |
最後の行まで来たら、回線の選び方(3つの質問で決まる)に、光回線・ホームルーター・モバイル回線のどれが合うかと、住所で使えるかの調べ方があります。
アップロード速度でよくある質問
Q1. アップロード速度の目安は、どれくらいですか?
A. ビデオ会議は4Mbps、YouTubeのフルHD(1080p・60fps)のライブ配信は約21Mbpsです。声だけの会議なら0.1Mbpsで足ります。
Q2. 250Mbpsで650GBをアップロードすると、何時間かかりますか?
A. 最短で5時間46分40秒です(650×8,000÷250=20,800秒)。250Mbpsは1秒に約31MBなので、8で割るのを忘れると43分と見誤ります。
Q3. 上りが10Mbpsあれば、ビデオ会議には足りますか?
A. 足ります。Zoom・Google Meet・Teamsが示すフルHDの値は、どれも4Mbps以下です。それでも声が途切れるなら、同じ時間に動いている送信とWi-Fiを確かめます。
Q4. 契約が1Gbpsなら、上りも1Gbps出ますか?
A. 1Gbpsちょうどは出ません。契約の数字は上限です。通信の測り方を定めた文書(RFC 6349)の計算例では、100Mbpsの有線LANでデータに使えるのは最大94.9Mbps。同じ計算を1Gbpsに当てはめると、約949Mbpsです。上りは下りより小さいことも多いので、契約書面の「上り最大」と、測った値の両方を見ます。
会議の前に、送信を止める
ユイは雲のアイコンを右クリックし、「2時間」を選びました。同じ机、同じパソコンで通話をやり直すと、声は最後まで届きました。足りなかったのは速さではなく、車線の空きです。
ユイ
声が途切れるたびに、回線を替えることまで考えていました。先に見るのは、送信中の表示だったんですね
マコト
うん。10GBなら2時間13分。会議の前に終わるかどうか、次は先に計算できるよ
次に「声が途切れる」と言われたら、速度テストを開く前に、いま何を送っているかを見てください。大きなファイルが送信中なら、早見表で所要時間を見積もり、会議と重ならない時間に送れるか考えてみましょう。
この記事について
LAB WHITEBOARD
アップロード速度を一文で説明してみよう
「会議・配信・ファイル送信に要る上りの目安を数字で言い、容量と上りから送信時間を計算し、声が途切れる原因を送信の重なり・Wi-Fi・回線に分けて確かめられるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。




