レイテンシとは、通信でデータが相手に届くまで(往復なら返事が戻るまで)にかかる時間です。 「レイテンシー」「遅延(ちえん)」とも書き、数字が小さいほど待ち時間は短いと読めます。
ネット通話で声が遅れて話がかぶる。ゲームで自分の動きが相手に遅れて伝わる。速さの数字は足りているのに起きる、こうしたずれを考えるときに出てくる言葉です。
数字を読む前に決めることは一つ。その時間が、どこからどこまでの時間なのかです。
レイテンシの片道と往復(RTT)はどこまでの時間?
自分のスマホやPCから相手にデータが届くまでなら片道、合図を送って相手からの返事が自分に戻るまでなら往復です。
片道:相手に届くまで
送ってから、相手に届くまでの時間
往復:返事が戻るまで
← 返事相手
送ってから、返事が自分に戻るまでの時間
往復にかかった時間の正式名が、RTT(アールティーティー)です。英語の「往復時間(round-trip time)」の頭文字です。
行きと帰りは、別の道を通ったり、混み具合が違ったりします。だから往復の時間を2で割っても、片道の正確な時間にはなりません。
こうした短い時間は、ミリ秒(ms)という単位で表します。1ミリ秒は1秒の1000分の1で、20msは0.02秒、80msは0.08秒です。
イト
20ミリ秒って出たら、行くのに10、戻るのに10ってこと?
ピコ
往復20ミリ秒なら、合わせた時間はわかる。でも、行きと帰りの内訳までは決められないんだ
ユイ
片道なのか往復なのかで、数字の意味が変わるんですね
マコト
そう。比べるときも、同じ範囲を測った数字か確かめたいね
レイテンシのRTTとpingの違い:RTTは時間、pingは測る方法
ping(ピング)は、相手へ小さな合図を送り、返事が戻るかと、戻るまでの時間を見る確認方法です。pingで測って出てくる時間が、往復の時間、RTTです。
| 言葉 | 何を指す? |
|---|---|
| レイテンシ | データが届くまでにかかる時間。片道にも往復にも使う |
| RTT | 往復にかかった時間の正式名 |
| ping | 合図を送り、返事が戻るまでの時間(RTT)を測る方法 |
「ping 20ms」は、pingという方法で測ったら往復に20msかかった、という意味です。名前が分かれば、次は自分の数字です。
レイテンシを測定するには、pingの結果のどこを見る?
レイテンシを測る一番手近な方法は、速度を測る画面の「ping」の欄を読むことです。 見るところは三つです。
- 単位はms(ミリ秒)です。
- 数字は、往復(RTT)の時間です。 片道ではありません。
- どの相手までの時間かも見ます。 速度測定とゲームでは、合図を送る相手が違います。
比べるのは、同じ相手・同じ測り方の数字どうしです。昼と夜に同じ画面で測れば、時間帯で変わるかが自分の数字で分かります。
返事が戻らない回や、数字のばらつきの読み方は、pingとはで読めます。
レイテンシと通信速度(Mbps)の違いは、時間か量か
ネットの速さの表示にあるMbps(メガビーピーエス)は、1秒あたりにやり取りできるデータの量です。レイテンシは、届くまでにかかる時間です。
| 表示で見るもの | 何がわかる? |
|---|---|
| Mbps | 1秒あたりにやり取りする量で表した速さ |
| ms | 測った範囲でかかった時間 |
大きな動画を受け取るなら量が、通話やゲームの反応なら、一つの合図が早く届く時間のほうが大切です。だから「Mbpsは大きいのに通話がかぶる」は矛盾ではなく、量は足りていて、時間のほうを見る場面です。量の読み方はMbpsとはへ。
レイテンシが増える場所と、ネット以外で遅れる時間
相手が遠ければ道が長くなり、途中が混めば機器の中で送る順番を待ちます。ネットでの待ち時間は、この距離と順番待ちで増えます。
ただし、ボタンを押してから画面が変わるまでの時間には、ネット以外の作業も入ります。 相手のアプリが答えを作る時間と、自分の機器が画面を描く時間です。pingが短いのに遅いときは、この二つも候補に入れます。
困っている場面から、まず見る場所を絞ります。
- 通話やゲームの反応だけが遅れるなら、往復の時間(pingの欄)
- 動画の読み込みが終わらないなら、量(Mbpsの欄)
- 文字を打つだけでも遅いなら、ネットより先に自分の機器
実際に困っている人はネットが遅い原因へ。遠い相手までの道に興味がある人はインターネットと海底ケーブルで読めます。
レイテンシでよくある疑問
Q1. 「レイテンシー」や「遅延」と書いてあっても、同じ意味ですか?
同じ意味です。のばす音のあるなしは書き方の違いで、「遅延」はその日本語です。ライブ配信の「レイテンシー」も、映像が自分の画面に届くまでの待ち時間です。
Q2. ゲームの「ラグ」や「pingが高い」は、レイテンシと同じですか?
ラグは、操作してから画面に出るまでのずれ全体を指す日常の言い方です。レイテンシは、そのうちネットでデータが届くまでの時間で、「pingが高い」はこの時間が長いという意味です。
通話がかぶったら、レイテンシのどこから見る?
声がかぶる通話に戻ると、いま言えることは三つ。レイテンシは届くまでの時間、pingは往復(RTT)を測る方法、Mbpsは量です。今すぐできる一歩は、速度を測る画面の「ping」の欄を一度見て、数字と相手を控えておくこと。次にかぶったとき、同じ画面で測り直せば、自分の数字で比べられます。
物語から読みたい人は、第29話「レイテンシって何が遅れているの?」へ。合図が行って戻る時間を、時計のたとえで見ていきます。
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レイテンシ|この記事で使った言葉
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