Wi-Fiの2.4GHzと5GHzはどっちがいい?違いと使い分けを距離と壁で決める

30秒でわかる答え

Wi-Fiの2.4GHzと5GHzはどっちがいい?

Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いを一言でいうと、2.4GHzは遠くや壁のむこうに届きやすいかわりに混みやすく、5GHzは速さを出しやすいかわりに距離と障害物に弱いという関係です。

Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いを一言でいうと、2.4GHzは遠くや壁のむこうに届きやすいかわりに混みやすく、5GHzは速さを出しやすいかわりに距離と障害物に弱いという関係です。

「数字が大きい5GHzのほうが速いに決まってる」と言うイトと、「私の部屋では5GHzだと切れる」と言うユイ。どちらが優れている、という話ではありません。届く範囲と速さを交換しているだけなので、ルーターの隣ならイトが、離れた部屋ならユイが正しくなります。

ラボでもこの議論は決着しませんでした。条件をそろえて確かめない限り、どちらも正しいままだからです。まずは、それぞれの性格を順に見ていきます。

Wi-Fiの電波を「見えない橋」として先に場面でつかみたい場合は、第22話「Wi-Fiはどう空中を通る? 見えない橋の部屋へ」から読むこともできます。その橋に使う2種類の周波数を、ここで比べます。

漫画:あくびの続きは、どの席で? 全4ページ

ねこの大あくびを見せたいイト。近くでは動いていた動画が、窓辺の別室で止まってしまいます。今つながっている帯域を確かめます。

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1 / 4近くなら動く

ルーター近くで、イトがねこの動画を見せる。

1ページ目:近くなら動く
使う場所が変われば、同じ帯域でもつながり方が変わります。

1ページ目のセリフ

  • ルーター近くで、イトがねこの動画を見せる。
  • イト「このねこ、大あくびするんだ!」
  • イト「5GHzなら、どこでも速いよね!」
  • 画面:LAB-5GHz、再生0:03 / 0:15、ねこは口を閉じている。

2 / 4窓辺では待ち状態

窓辺の別室へ移ると、同じ動画が途中で止まる。

2ページ目:窓辺では待ち状態
まず実際に使う席で確かめます。

2ページ目のセリフ

  • 窓辺の別室へ移ると、同じ動画が途中で止まる。
  • イト「あれ、ここで止まった。」
  • ユイ「使う場所で、様子が変わりますね。」
  • ユイ「同じ席で、両方を試しましょう。」
  • 画面:LAB-5GHz、弱い受信表示と待ちマーク、0:08 / 0:15。

3 / 4席を変えず、帯域を試す

イトが同じ席と端末で2.4GHzを選び、動画の続きが動く。

3ページ目:席を変えず、帯域を試す
2.4GHzは比較的遠くへ届きやすくても、混雑などで結果は変わります。

3ページ目のセリフ

  • イトが同じ席と端末で2.4GHzを選び、動画の続きが動く。
  • ユイ「2.4GHzは、比較的遠くへ届きやすいです。」
  • イト「動いた!」
  • ユイ「混雑などでも、結果は変わりますよ。」
  • 画面:LAB-5GHz / LAB-2.4GHzから後者を選択、LAB-2.4GHz 接続中、再生0:09 / 0:15。

4 / 4あくびの続き

動画のねこが大あくび。見ていたイトもつられてしまう。

4ページ目:あくびの続き
今回の席では続きが見られました。帯域を切り替えれば必ず改善する、という意味ではありません。

4ページ目のセリフ

  • 動画のねこが大あくび。見ていたイトもつられてしまう。
  • イト「来た!」
  • イト「ふわぁ……」
  • ユイ「そちらまで、つられましたね。」
  • 画面:LAB-2.4GHz、ねこの大あくび0:12 / 0:15、最後は口を閉じて0:13 / 0:15。

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漫画はある場所で切り替えを試した一例です。速度や安定性は距離、壁、混雑、端末、回線、サービスの状態で変わり、2.4GHzで必ず改善するとは限りません。画面のSSIDは架空の名前です。

2.4GHzと5GHzの使い分けを本文で読む ↓

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2.4GHzと5GHzの違いを一言で

GHz(ギガヘルツ)は、電波が1秒間に何回振動するかを表す単位です。数字が大きいほど、細かく速く振動しています。

ここで混ざりやすいのが、「振動が速い」と「通信が速い」は同じ意味ではない、という点です。細かく振動する電波は、多くの情報を乗せやすい性質があります。その一方で、物にぶつかったときに弱まりやすい性質もあります。

つまり数字は、優劣の順位ではなく性格を表しています。5GHzは、速く走れるかわりに息が続かない。2.4GHzは、速くはないが遠くまで歩ける。そういう分かれ方です。

イト

5GHzのほうが数字が大きいじゃん。だったら速いに決まってるでしょ

ユイ

でも私の部屋、5GHzだと切れるんです。2.4GHzのほうが安定していて

2.4GHzと5GHzの届き方を、低い声と高い声にたとえると

たとえでいうと、声の高さです。

隣の部屋から誰かが話しているとき、壁ごしに届きやすいのは低い音です。何を言っているかはわからなくても、話し声があること、その低い響きは伝わります。反対に、高い声は同じ部屋にいるとくっきり聞こえますが、壁を1枚はさむと急に届きにくくなります。

このたとえで対応させているのは、周波数によって壁越しの届き方が変わる点だけです。高い声そのものに情報が多いわけではなく、Wi-Fiの通信速度も周波数の数字だけでは決まりません。

現実のWi-Fiに戻すと、2.4GHzは障害物のむこうへ比較的届きやすく、5GHzは近距離で広い帯域幅を使える規格が多いため速度を出しやすい、という違いです。声のたとえは届き方を思い出す入口に限り、速度や通信容量の根拠には使いません。たとえはここまでで、ここから先は自分の家の条件で見ます。

2.4GHzと5GHzの得意と苦手を比較表で見る

性格を並べると、選ぶときに迷いにくくなります。見る点は三つに絞れます。ルーターからの距離、間にある壁や床、そして同じ帯域を使う機器の数です。表はこの順に並べています。

見る点2.4GHz5GHz
届く距離比較的遠くまで届きやすい近い範囲で力を出しやすい
壁や床通り抜けやすい傾向弱まりやすい傾向
速さの上限5GHzより控えめなことが多い出しやすいことが多い
混みやすさ混みやすい比較的すいていることが多い
使う機器古い機器や家電も使う対応した機器のみ

2.4GHzが混みやすいのには理由があります。この帯域は、Wi-Fi以外の機器も使っているためです。電子レンジ、一部のワイヤレス機器、近所のWi-Fiなど、同じ空間に声を出すものが多い。混んだカフェで低い声を張り上げているような状態です。

一方で5GHzは、比較的すいています。ただし、すいた道でも遠ければ届きません。すいていることと、届くことは別です。

だから迷ったら、距離と壁を先に見ます。混みやすさは、同じ場所で両方を試したあとに考える順番で足ります。

2.4GHzでも5GHzでも、その先の回線は同じ

ここは押さえておきたいところです。

2.4GHzと5GHzは、どちらもWi-Fiです。どちらも、端末と家のルーターをつなぐ家の中の無線区間にすぎません。その先、ルーターから回線を通って外のインターネットへ出る道は、まったく同じものを使います。

  • どちらの帯域でも、つながる先は同じルーター
  • どちらの帯域でも、その先の回線契約は同じ
  • どちらの帯域でも、相手側のサービスが混んでいれば影響を受ける
  • 帯域を変えても、契約の上限より速くはならない

だから、回線側や相手側が原因で遅いときは、帯域を切り替えても体感は変わりません。家の中の区間と外の区間が別物である、という整理はWi-Fiの仕組みで扱っています。帯域の話は、そのうち「家の中の区間」の中の選択肢です。

ユイ

どっちが上、じゃなくて、届く距離と速さを交換しているんですね

イト

ぼくの部屋はルーターの隣だから5GHzでいいのか。勝ち負けじゃないんだ

2.4GHzと5GHzの使い分け:どっちがいいかは5つの場面で決まる

場面で選ぶと、判断が簡単になります。

  1. ルーターと同じ部屋、または1枚のドア程度:5GHzが快適なことが多い
  2. 2階や、壁を何枚もはさんだ部屋:2.4GHzのほうが安定することが多い
  3. 動画やオンライン会議を近くで使う:5GHzを試す
  4. 家の隅に置く古い機器や家電:2.4GHzしか使えないものが多い
  5. 電子レンジを使うと途切れる:その時間帯だけ5GHzへ寄せる

5番は、実際に体験すると納得が早い例です。電子レンジは2.4GHzに近い電波を使う機器で、動作中は同じ帯域のWi-Fiが不安定になります。温めている3分だけ動画がカクつくなら、干渉を疑う手がかりになります。

なお、ルーターによっては2つの帯域を1つのSSIDにまとめ、状況に応じて自動で振り分ける機能を持つものがあります。便利ですが、切り替えの判断は機器に任せることになります。どちらへつながっているかを自分で確かめたいときは、機種によってはSSIDを分ける設定を選べます。

5GHzなら速い、が外れる4条件

イトの言い分が崩れるのは、ここです。

「5GHzに変えれば速くなる」は、条件つきです。次の四つのどれかに当てはまると、5GHzに変えても改善しないか、むしろ悪化します。

  • ルーターから遠く、5GHzの電波が弱く届いている
  • 間にコンクリートの床や壁がある
  • 端末が5GHzに対応していない
  • そもそも遅さの原因が、回線側や相手側にある

もう1つの誤解は、「アンテナ本数が多い=速い」です。本数は電波の強さの目安であって、実際に出る速さとは別の話です。強くても混んでいれば遅くなり、少し弱くてもすいていれば快適なことがあります。

離れた部屋で弱いときの見方はWi-Fiが2階や離れた部屋で弱いのはなぜにまとめています。帯域の切り替えは、距離と壁の問題を解決する手段ではなく、同じ条件の中で相性のよい方を選ぶ手段です。

SSIDで2.4GHzか5GHzかを確かめるワーク

スマホでWi-Fiの設定画面を開き、家のSSID一覧を見てください。ルーターの機種によっては、名前の末尾に「-A」「-G」「-2G」「-5G」などが付いています。

  • 見えたSSIDの名前を書き出す:______
  • 今つないでいるのはどちらか:2.4GHz / 5GHz / わからない
  • ルーターと同じ部屋で速度を測る:__Mbps
  • いちばん遠い部屋で、同じ帯域で測る:__Mbps
  • 遠い部屋で、もう一方の帯域に変えて測る:__Mbps

三つの数字が並んだら、読み方はこうです。遠い部屋で2.4GHzの数字が5GHzより大きければ、その部屋は2.4GHzが合っています。同じ部屋で5GHzのほうが大きければ、ルーターの近くは5GHzで足ります。三つがほとんど同じなら、家の中の帯域ではなく、その先の回線や相手側を疑います。

画面のむこう側の道は同じでも、家の中のどの声で話すかで、入口の広さが変わります。

2.4GHzと5GHzでよくある質問

Q1. 5GHzのほうが数字が大きいので、常に速いですか?

A. いいえ。近くでは速さを出しやすい一方、距離や壁で弱まりやすいため、離れた部屋では2.4GHzのほうが安定することが多いです。

Q2. 2.4GHzが混みやすいのはなぜですか?

A. Wi-Fi以外の機器や近所のWi-Fiも同じ帯域を使っていることがあり、同じ空間に声を出すものが多くなるためです。

Q3. 帯域を変えれば、契約より速くなりますか?

A. なりません。どちらの帯域も家の中の区間で、その先の回線は同じものを使います。

2.4GHzか5GHzか、部屋で決める

イトとユイの議論は、どちらも正しかったのです。ただ、立っていた場所が違いました。数字の大小ではなく、自分がルーターからどれだけ離れているか。そこから選ぶと、答えが出ます。

書き写すなら、2.4GHzと5GHzは数字の大小で勝敗を決めず、距離、壁、混雑に合わせて選ぶです。

今すぐできる一歩は、ルーターの場所と、よく使う部屋を間取りに丸で付けることです。丸と丸の間に壁や階があれば2.4GHzから、同じ部屋なら5GHzから試します。混雑への対応が何を変えたかはWi-Fi 6とは、電波を出す側の役割はアクセスポイントとはへ続きます。

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TERM PRIMER

Wi-Fiの2.4GHzと5GHz|この記事で使った言葉

Wi-Fi
ケーブルを使わず、電波で端末をネットワークにつなぐしくみです。
ルーター
データの行き先を見て、次にどの道へ送るかを決める機器です。
Mbps
1秒間にどれくらいのデータを送れるかを表す通信速度の単位です。

LAB WHITEBOARD

Wi-Fiの2.4GHzと5GHzを一文で説明してみよう

「2.4GHzと5GHzが距離と速さを交換した関係にあることを理解し、場面に応じて選べるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。