あなたの場合は?
動画が止まるとき、先に確かめる場所
わかる質問だけ答えてください。原因を決めるのではなく、確かめる順番を並べます。答えはこの画面の中だけで使い、保存も送信もしません。
| こんなとき | 先に確かめる場所 |
|---|---|
| この端末だけ止まり、ほかの端末では見られる | この端末とアプリ |
| Wi-Fiで、ほかの端末もほかのサイトも遅い | 家のWi-Fiとルーター |
| モバイル通信で、ほかのサイトも遅い | モバイル通信の速度制限と残りのデータ量 |
| 画質を一段下げると止まりにくくなる | 画質と、届く速さの釣り合い |
| 夜など、決まった時間に止まりやすい | 混み合う時間帯の回線 |
| ほかの端末でも止まるが、ほかのサイトはふつうに動く | その動画サービスや配信側 |
エラー文が出ているときは、ログインや視聴権限など、データを待つのとは別の理由のことがあります。先にその文を確かめてください。
金曜日のピコルート・ラボ。テレビの主人公が真実を言いかけた瞬間、映像が止まりました。画面のまんなかで、丸いマークだけが回っています。
「なんで今なの」とイトはリモコンのボタンを二度押し、三度目はマコトの手に止められました。
アプリによっては、ここに「バッファ中」「バッファリング中」と文字が出ます。待てば続きを見られるのか、それとも何か操作したほうがいいのか。まずは、この表示が知らせていることを確かめます。
「バッファ中」とは何の知らせ?待てばいい?
「バッファ中」「バッファリング中」は、動画の続きをためている最中の表示です。 音楽やラジオの配信で出たときも意味は同じで、ためているのが音の続きに変わるだけです。
壊れた知らせではなく、作業中の知らせです。たとえばDAZNの公式ヘルプは、「通常、少々お待ちいただくと動画が視聴可能になります」と案内しています。数秒で動き出したら、確認はいりません。そのまま見て大丈夫です。マコトが三度目を止めたのも、ボタンを押したところで、続きが届く速さは変わらないからでした。
ただ、この表示が教えてくれるのは「待っている」ことだけです。端末、Wi-Fi、回線、サービスのどこで待っているかは、表示からは読み取れません。待っても動かない、動いてもすぐ止まるときは、次の3つを上から順に試します。
- 同じサービスの別の動画を再生する: 別の動画は止まらないなら、見る場所はその一本に絞れます。
- 画質を一段下げる: 止まらなくなったら、元の画質が、いまの届く速さや端末には重すぎました。
- アプリやページを一度だけ開き直す: これで戻るなら、一時的なつまずきでした。
エラー文が出ているときは、3つより先にその文を読みます。ログインや視聴の権利の問題は、待っても変わらないからです。3つとも変わらなければ、確認順の続きへ進んでください。
TERM PRIMER
バッファリング|先に知っておく言葉
止まっている数秒、画面のむこうでは何をためている?
ためているのは、いま映っている場面の「少し先」です。動画配信は、全部を保存し終える前に、届いたぶんから再生します(ストリーミング)。だから再生アプリ(プレイヤー)は、すぐ先の場面をいつも少しだけ手元に持っておきます。止まってから動き出すまでを、まず4ページの漫画で見てください。
漫画:止まったままのロボットダンス 全4ページ
動画をまねて、最後のポーズまで踊ってみたいイトとユイ。ところが、腕を曲げたまま、なかなか次の動きが始まりません。
画像を押すと拡大できます。+/−で大きさを変え、拡大中はドラッグして読めます。
動画と画面は架空の例です。データの札は、ためる関係を見せるためのたとえです。
漫画でユイが言った「ためながら再生する」を、紙芝居に置きかえます。読み手の手元に、次の絵札を置く準備台があるとします。札が届くのが少し遅れても、台に札が残っていれば、お話は止まりません。札を使うほうが速くて台が空になると、読み手は次の札を待ちます。

ここで、札と準備台のたとえを実際の用語に言い換えてみます。「バッファ」は、仕事で「予定にバッファを持たせる」と言うときにも使う言葉です。
| 言葉 | 準備台でいうと | 画面ではどう見える? |
|---|---|---|
| バッファ | 台の上にある、少し先の札 | ふだんは見えない。プレイヤーによっては、再生バーの先に色のちがう帯で出る |
| バッファリング | 台へ札をためる作業 | 順調に見ている間も裏で続き、表示は出ない |
| リバッファリング | 台が空になり、ため直すこと | 映像が止まり、ぐるぐるや「バッファ中」「読み込み中」が出る |
ブラウザが動画を再生するときの共通ルール(HTML標準)は、止まって見えるこの状態を「次のコマがまだ手元にないので再生が止まった。ただし、じきに届くと見込んでいる」という趣旨で定めています。壊れて止まったのではなく、届く前提で待っているわけです。
※札一枚が何秒ぶんかは決めていません。台に置く量も、サービス、端末、動画、ライブか録画かで変わります。
ためているのに、なぜ足りなくなる?5秒の例で数える
ユイ
ぐるぐるが出た瞬間に、データが足りなくなったんですよね?
ピコ
足りなくなり始めたのは、もっと前だよ。台に札が残ってる間は、止まらずに済んでただけ。数えに行こう
バッファが増えるか減るかは、届く速さと、再生で使う速さの差で決まります。
再生は、1秒ごとに1秒ぶんの札を使います。その1秒の間に届く札が1秒ぶんより少なければ、台の札は減っていきます。台に5秒ぶんある状態から数えます。
| 1秒の間に届く札 | 台の札は | 5秒後の台 |
|---|---|---|
| 1.4秒ぶん | 毎秒0.4秒ぶん増える | 約7秒ぶん |
| 1.0秒ぶん | 変わらない | 約5秒ぶん |
| 0.6秒ぶん | 毎秒0.4秒ぶん減る | 約3秒ぶん |
いちばん下の調子が続くと、台は12.5秒で空になります。ぐるぐるが出るのはその瞬間ですが、足りなくなり始めたのは12.5秒も前でした。見えた合図は、最後の一枚がなくなった知らせです。
※増減をつかむための計算です。実際は届く量が1秒ごとに揺れ、ためる上限もプレイヤーが決めます。
画質が「自動」のプレイヤーは、この減り方を見張っています。空になる前に自分で画質を落とし、軽い札に切り替えます。軽い札なら、同じ速さの通信でも早く届くからです。映像が急に粗くなるのは、ぐるぐるを避けるための先回りです(画質が勝手に変わる理由)。
確認クイズ
5秒ぶんから始めて、4秒間の再生中に届いたのは合計2秒ぶんでした。台に残るのは何秒ぶんでしょう。
答えは3秒ぶんです。5 − 4 + 2 = 3。まだ止まりませんが、同じ調子ならあと6秒で空になります。
最初にたくさんためれば、止まらない?
イト
じゃあ最初に、いっぱいためとけばいいじゃん。そしたら止まらないでしょ
マコト
そのぶん、再生ボタンを押してから始まるまでが長くなるんだ。待つ場所が、途中から最初に移るんだね
生中継ではさらに、ためたぶんだけ画面が「今」から遅れます。YouTubeのヘルプも、配信の遅延を短くするほどプレイヤーのバッファが少なくなり、再生が中断する可能性が高くなると説明しています。
そもそも生中継は、まだ撮られていない場面をためられません。台が浅いぶん、通信の揺れが画面に出やすくなります。この引きかえはライブ配信が遅れる理由でたどれます。
同じ「待ち」でも、いつ起きたかで意味が変わります。
| 場面 | 起きていること | 呼び名 |
|---|---|---|
| 再生ボタンを押した直後 | 最初の場面を始めるぶんをためている | 初回バッファリング |
| 再生位置を大きく動かした直後 | 移動先のぶんが、まだ台にない | シーク後の読み込み |
| 見ている途中で止まる | 台が空になり、ため直している | リバッファリング |
| 自分で一時停止を押した | 自分で止めた。裏で受信を続けるかはサービスしだい | 手動の一時停止 |
上の2つは、順調なときにも起きる待ちです。3行目の「見ている途中で止まる」がくり返すなら、冒頭の3つを試し、改善しなければ次の確認順へ進みます。
3つ試しても終わらないときの確認順と注意点
はじめの3つで変わらないなら、原因を当てにいかず、条件を一つだけ変えて止まり方を比べます。二つ同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなるからです。
| 変えること | 止まりにくくなったら、見る場所 |
|---|---|
| 自分が動かしている大きなダウンロードや、ほかの動画を止める | 同時に使っている通信の量 |
| 同じ端末をルーターの近くへ持っていく。つなげる端末なら有線でも比べる | 家のWi-Fiとルーター |
| 使っていないタブやアプリを閉じる。別のブラウザや端末でも試す | この端末とアプリ |
| Wi-Fiとモバイル通信を入れ替える(モバイル側はデータ通信量を使う) | 替える前に使っていた通信 |
一度変わっただけで、回線の故障や機器の買い替えまでは決まりません。同じ結果がくり返すかを見てください。
複数の動画、複数の端末で続くなら、サービスの公式のお知らせを確かめます。公式ヘルプには、数字まで書かれた手順があります。
- YouTube:テレビでHD画質を見るなら、接続速度は7Mbps以上が推奨です。速度はテレビのそばで測ります。
- DAZN:ルーターを再起動するときは、電源コードを抜いて15〜20秒後に入れ直し、つながるまで2分ほど待ちます。
- Netflix:モデムとルーターの電源コードを抜いて30秒待ち、入れ直してランプの点滅が落ち着いてから、端末の電源を入れます。カフェやホテル、学校のWi-Fiなら、動画サービスが止められていないかを先に確かめます。
ルーターを再起動すると、家じゅうの通信がいったん切れます。家族が通話や作業をしていない時間を選んでください。端末ごとの手順は、参考資料の公式ヘルプで選べます。問い合わせるときは、端末とアプリの名前、起きた時刻、エラー文、別の動画でも起きたかを添えると伝わります。
音は続くのに映像だけ固まる、端末全体が重い。こうした止まり方は、データ待ちだけでは説明がつきません。端末から配信側まで順に調べるなら動画が止まる原因へ、Wi-Fiの扇マークが立っているのに止まるならWi-Fiにつながっているのに動画が止まる原因へ進んでください。
よくある質問
一時停止して待てば、バッファはたまりますか?
録画の動画なら、止めている間も受信を続けるサービスがあります。再生バーの先の帯が伸びていけば、たまっています。伸びないなら、先読みの量を絞っているか、受信を止めているサービスです。生中継では、止めたぶんだけ画面が「今」から遅れます。
キャッシュを削除すると、「バッファ中」は直りますか?
試す価値はあります。YouTubeのヘルプでも、通信を切り替える手順の次が「アプリのキャッシュを削除する」です。ただし、キャッシュとバッファは別のものです。バッファは今の再生の少し先、キャッシュは次に速く使うために取っておいたデータです。消してもバッファは増えません。名前の似た「ストレージを消去」「データを消去」は別の操作で、ログインや設定まで消すことがあります。押す前に、端末とサービスの説明を確かめてください。
速度の測定では速いのに、動画が止まるのはなぜですか?
測定で分かるのは、測定先までの、その瞬間の速さです。動画が通る道が測定の道と違えば、数字は当てになりません。速さは時間帯でも変わります。止まる場所で、止まる時間帯に測ってください。
次に「バッファ中」が出たら
テレビが動き出すと、主人公は止まっていた言葉の続きを話し始めました。イトはリモコンを机に置きます。
「ぐるぐるが止めたんじゃなくて、続きをため直してたんだ」
大事な場面を止められた悔しさは、すぐには消えません。でも、ボタンを何度も押す代わりに、イトは準備台に次の札が届く場面を思い浮かべられるようになりました。
次にあの表示が出たら、順番はこうです。
- まず数秒待つ。
- 動かなければ、別の動画、画質、開き直しの3つを試す。
- それでも続くときだけ、条件を一つずつ変える。
表示の意味が分かれば、待ってよい場面と、確認を始める場面を分けられます。ボタンを押し続けるより、いまの止まり方に合う手順を選んでください。
この場面の始まりは第1話「テレビのアニメが止まった!」で、ためてから再生を始めるしくみは第16話で読めます。
この記事について
LAB WHITEBOARD
バッファリングを一文で説明してみよう
「「バッファ中」の表示が何をしている最中かを説明でき、終わらないときに試す順番を自分で選べるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。








