TERM PRIMER
ストリーミング|先に知っておく言葉
- ストリーミング
- 動画や音楽を全部保存し終える前に、受け取りながら再生する方法です。
- バッファリング
- 再生が止まらないよう、少し先のデータをためておくことです。
- データ
- コンピューターが扱う情報。文字、画像、音、動画、Webサイトもデータとして扱われます。
- サーバー
- データを保存したり、ほかの端末に届けたりする役割を持つコンピューターです。
- パケット
- 大きなデータをインターネットで運びやすくするために分けた小さなかたまりです。
- キャッシュ
- 一度使ったデータを一時的に保存し、次に速く使えるようにするしくみです。
- CDN
- 世界中の近い場所から画像や動画などを届けやすくする配信ネットワークです。
- レイテンシ
- データが届くまでなどにかかる遅延時間です。片道・往復など、測る区間を分けて考えます。
スマホで再生ボタンを押すと、2時間の映画でも数秒で動き出します。全部を受け取ってから映しているなら、長い映画ほど待たされるはずです。ところが実際の待ち時間は、3分の曲とほとんど変わりません。
ストリーミングとは、動画や音楽のデータを全部保存し終えるのを待たず、届いた分から順に再生する方法です。
画面に出る「ストリーミング中」は、保存ずみのファイルではなく、いま通信で届いているデータを再生している最中、という知らせです。だから電波の弱い場所では途中で止まります。
ストリーミングとダウンロードの違いは、始まる時と残るもの
| 比べる点 | ストリーミング | ダウンロード |
|---|---|---|
| 見始められるのは | 最初の少しが届いたらすぐ | 全部を保存し終えてから |
| 端末に残るのは | 動画ファイルは残らない | ファイルがまるごと残る |
| 通信が切れたら | 再生が止まる | 保存ずみなら、そのまま使える |
映画をすぐ見たい、曲を次々に試したいならストリーミング。電波のない場所で見たい、何度も開く資料ならダウンロードです。使い分けとよくある思い違いは、ダウンロードとストリーミングの違いが持っています。
ストリーミング中とは何をしている状態?画面のむこうの流れ
イト
ストリーミングって、動画が全部テレビに入ってから再生してるの?
ピコ
全部はそろっていないよ。映写機のそばで、いま届いている箱を見てごらん
第16話の上映室では、一本の動画が8つの箱に分けて運ばれてきました。イトは8箱そろうのを待たず、先頭の3箱が届いたところで映写機を回し、残りは上映しながら受け取りました。実際の画面でも、同じ順番で進みます。
- 再生ボタンを押すと、端末やアプリが配信サービスへ「この動画をください」と頼む
- サーバーや近くの配信拠点(CDN)から、短く切り分けた動画データが届き始める
- 端末は届いた分を映像と音に戻し、少し先の分をためながら映す
- 再生中もデータは届き続け、通信の太さに合わせて画質や読み込みが変わる
画面では一本の映画でも、届くときは小さなかたまりの列です。小さく分けて運ぶからすぐ始められます。そのぶん、次のかたまりが遅れたときの備えが要ります。この「小さく分けて運ぶ」考え方は、パケットとはに続いています。

ストリーミングが止まりにくいのは、バッファのおかげ
上映室でイトが先に3箱ためたように、アプリも、いま映している場面より少し先のぶんを先に受け取ってためています。このためておく余裕がバッファです。※何秒ぶんためるかは、アプリと通信の状態で変わります。
通信が一瞬細くなっても、ためた分で映し続けられます。細い状態が長引いてためた分を使い切ると、次が届くまで止まります。くるくる回る印は故障の知らせではなく、「次のぶんを待っています」の知らせです。

止まったとき、配信サービスの故障と決めつける前に見る場所は3つです。
- 手元:Wi-Fiの電波が弱い場所にいないか、端末やアプリが重くなっていないか
- 家の中:家族が同時に大きな動画やゲームの更新を流していないか
- むこう側:回線や配信側が混んでいないか
「バッファ中」が終わらないときに試す順番はバッファ中とは、原因の切り分けは動画が止まる原因に分けてあります。止まる手前で、アプリはもう一つ手を打っています。画質の切り替えです。
ストリーミングで画質が勝手に下がる・上がる理由
ストリーミング中に急に画質が粗くなり、しばらくするときれいに戻る。これは不具合ではなく、止めないための調整です。YouTubeなど多くの動画サービスには、通信の速さに合わせて画質を自動で選び直す設定があり、回線に余裕があれば高画質を、細くなれば軽い画質を受け取ります。
高画質は、同じ1分でも運ぶデータが多くなります。道が混んだら荷物を小さくして、止まらずに運び続けるのと同じです。
ユイ
でも、粗い画面のまま見続けるのは、損をしている気がします
マコト
止まって待つ時間と、少し粗い画面。どちらを取るかを、アプリが先に天びんにかけているんだ
くるくる回る印が出たら、画質を一段下げるのが、今すぐできる一番軽い手当てです。自動をやめて画質を固定したいときに押す場所は、画質の自動(auto)とはにサービスごとにまとめてあります。

ここまでの速さは、動画がどこから来るかにも左右されます。
ストリーミングの動画はどこから届く?CDNとキャッシュ
動画は、配信サービスの元のサーバーから毎回まっすぐ届くわけではありません。多くの配信サービスは、よく見られる動画の控えを、利用者に近い配信拠点に置いています。この近い拠点の仕組みがCDNです。遠くまで取りに行かずにすむので、再生開始までの待ち時間と途中の読み込みが安定します。いま見ている動画も、たいていは近くの拠点の控えから来ています。
手元の端末やアプリも、一度受け取ったデータを一時的に取っておきます。これがキャッシュです。同じものを取りに行かずにすむ代わりに、古い控えがそのまま映るという副作用も持っています。近い拠点の働きはCDNとは、手元の控えはキャッシュとはが続きです。
ストリーミングを自分の画面で確かめるミニワーク
数分あれば、自分の画面でも確かめられます。
- 2時間の映画と3分の曲を再生して、動き出すまでの秒数を比べる。全部を待っていたら、こうはならない
- 再生バーを見る。多くのプレイヤーでは、いま映している位置の先に色の違う帯が少し伸びている。その帯が、ためてある少し先のぶん(バッファ)
- 同じ動画をWi-Fiとスマホの回線で見比べて、始まるまでの時間が変わるか見る
最後に、次の一文を完成させます。
ストリーミングとは、動画や音楽などの____を、全部保存し終える前に、____ながら再生する方法です。
答えの例は「データ」「受け取り」です。
ストリーミングでよくある質問
Q1. 「ストリーミング中」のとき、動画はスマホに保存されていますか?
いいえ。少し先のぶんを一時的に持つだけで、動画ファイルとしては残りません。あとで通信なしに見たいときは、アプリのダウンロード(オフライン保存)を別に使います。
Q2. ストリーミングはギガ(通信量)を使いますか?
はい。再生している間ずっとデータが届くので、見た時間と画質のぶんだけ使います。Wi-Fiにつないでいる間は、スマホの契約ギガではなく家の回線を使います。
Q3. 自分が配信する側も「ストリーミング」ですか?
はい。見る側は届いた分から再生し、配信する側は撮った映像と音を変換して配信サーバーへ送り続けます。送る側の流れはライブ配信の仕組みが持っています。
ストリーミングが止まったら、画質を一段下げて確かめる
冒頭の映画に戻ります。数秒で始まったのは、全部を待たず届いた分から映しているから。電波の弱い場所で止まったのは、ためていた少し先のぶんを使い切ったから。保存して見ていたら、どちらも起きません。
次にくるくる回る印が出たら、画質を一段下げて、動き出すまでの時間が変わるか見てください。画質を下げて動き出すなら、通信の太さが足りていなかったと分かります。
物語で復習するなら第16話:動画はどう少しずつ届く?、動画配信の全体像は動画配信の仕組みが続きです。
ラボのホワイトボードに一行だけ残すなら、こうです。
ストリーミング = データを受け取りながら再生する仕組み
LAB WHITEBOARD
ストリーミングを一文で説明してみよう
「ストリーミングの意味とダウンロードとの違いを自分の言葉で言い、動画が止まる・画質が落ちるときに、バッファと通信のどちらを見るか選べるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。



