サイトの名前を打ってからページが出るまでの一瞬に、画面のむこうでは「その名前の相手はどの番号か」を調べる仕事が終わっています。その係がインターネットのDNSです。陸上や水泳の記録表にある「DNS」はスタートしなかった選手の印で、別の言葉です。
インターネットのDNSとは、example.com のようなサイトの名前(ドメイン名)を手がかりに、通信で使う番号(IPアドレス)を調べて答える案内役です。
DNSは Domain Name System(ドメイン・ネーム・システム)の略です。
ユイ
名前から番号を調べるだけなのに、「DNSが原因で開かない」と聞くのはなぜですか?
ピコ
番号が分からないと、ページを取りに行く前で止まるからだよ。DNSは、いちばん手前の係なんだ
イト
じゃあ、ページを持ってくるのもDNS?
DNSとは何をする役割?人は名前で覚え、機械は番号で探す
人は example.com のようなドメイン名のほうを覚えられます。いっぽうパソコンやスマホ、ルーターは、相手をIPアドレスという番号で探します。この間に立って「この名前なら、この番号」と答えるのが、DNSの役割です。

案内所にたとえると、DNSは「お店の場所を教える窓口」で、商品は渡してくれません。ページを持ってくるのは別の係です。この窓口のたとえは、第41話「DNSは名前をどう案内する?」の名前案内所から借りました。
漫画:たこは、空にいた 全4ページ
『たこ』のページを開きたいイト。名前から通信先を調べるDNSと、そのあとにページを受け取るやり取りを、4ページでたどります。
画像を押すと拡大できます。+/−で大きさを変え、拡大中はドラッグして読めます。
通信の宛先を調べる一例です。DNSは複数のサーバーが分担し、前に調べた答えを再利用する場合もあります。IPアドレス以外の情報も調べられます。作中のサイト名とIPアドレスは説明用の架空の例です。
DNSとWebサーバーの違い|調べる役と届ける役
漫画でタコ凧の絵が出たのは、DNSの返事のあとに、もう一つのやり取りがあったからです。
| 役割 | 返すもの |
|---|---|
| DNS | 名前に対応する番号(IPアドレス)など |
| Webサーバー | 求められたHTML・画像など、ページの材料 |
DNSが番号を教えた時点では、ページはまだ一文字も届いていません。そのあとブラウザがその番号の相手へ接続し、HTTPの要求と応答で材料を受け取ります。案内所が正しく教えても、お店が閉まっていればページは開きません。
ブラウザがDNSに渡すのは、URLの全部ではありません。
DNSが調べるのはURLのどこ?ドメイン名の部分だけ
https://example.com/books/ なら、DNSに渡すのは example.com だけです。先頭の https:// は通信のやり方、後ろの /books/ は相手に求めるページの場所で、番号探しには使いません。
だからURLのどこを間違えたかで、止まる場所が変わります。example.com を間違えれば、DNSが番号を見つけられずに止まります。/books/ を間違えた場合は、番号は見つかります。そのうえで相手のサーバーが「そのページはない」という返事(404)を返します。
名前を受け取ったDNSは、番号のほかにも答えを持っています。
DNSはIPアドレス以外も調べられる?メールの届け先も
DNSが名前ごとに持っている答えを、DNSレコードと呼びます。Webの番号を答えるA・AAAAのほかに、「この名前あてのメールはどのサーバーへ届けるか」を答えるMXがあります。Web用とメール用の答えは、別の行に分かれています。種類と使い分けはDNSレコードの種類にまとめました。
では、世界中の名前のぶんの答えを誰が持っているのか。一か所ではありません。
DNSはどう答える?一か所ではなく分担する案内所
世界中の名前を一か所で管理しているのではなく、いくつものDNSサーバーが分担して答えます。登場するのは三つです。
- 問い合わせを受ける窓口。自分の端末が最初に聞く相手です
- 名前ごとの答えを持つ、担当のネームサーバー
- 一度調べた答えをしばらく覚えておくキャッシュ
窓口は、覚えている答えがあればすぐ返し、なければ担当までたどって探します。たどる順番はDNSの仕組みで、「名前から番号を求める」こと自体の呼び名は名前解決とはで読めます。
マコト
覚えておいた答えで返すなら速いね。でも、その答えが古くなっていたら?
ピコ
そこが次の話。覚えておく時間が切れるまで、窓口は古い番号を答え続けるんだ
DNSエラーが出たら何を見る?古いページが出るときも
名前から番号を見つけられないと、ブラウザは「DNS」の文字が入ったエラーを出して止まります。設定をいじる前に見る場所は三つです。
- アドレス欄のつづり。
example.comにあたる部分が一文字違えば、番号は見つかりません。 - 別のサイトは開くか。開くなら、止まっているのはその名前だけです。
- 別の端末や別の回線(Wi-Fiを切ってモバイル回線にするなど)でも同じか。同じなら、自分の端末のせいではなさそうです。
三つを見ても直らないときは、DNSエラーの確認先で近い場所から順にたどれます。
エラーではなく、古いページが出る、人によって見えるページが違う、というときもあります。サイトの引っ越しや設定変更の直後なら、窓口に残った古い答え(キャッシュ)がまだ使われています。直後でないなら、原因はDNS以外です。残る時間はDNS TTL、見る環境でそろわない理由はDNS変更の反映がそろわない理由で読めます。
イト
エラーに『DNS』って出てた。ぼく、なにかこわした?
ピコ
こわしてないよ。名前から番号を調べるところで止まった、という合図。まずアドレス欄のつづりを見て
ユイ
設定を変えるのは、三つを見てからで間に合うんですね
DNSでよくある質問
Q1. DNSとDNSサーバーは同じものですか?
A. DNSは仕組み全体の名前で、DNSサーバーはその中で問い合わせを受けたり答えを持ったりするコンピューターです。
Q2. DNSは自分で設定しないと使えませんか?
A. 多くの家庭では、回線の会社やルーターが用意した窓口が最初から使われています。このページが開いているなら、DNSはもう働いています。
Q3. スマホのアプリでもDNSは使われていますか?
A. はい。アプリも相手のサーバーの名前から番号を調べてから通信します。
DNSとは「名前から番号を調べる係」|アドレス欄で一つ試す
名前を打ってからページが出るまでの一瞬に、DNSが名前から番号を調べ、その番号の相手からブラウザがページを受け取る。名前を調べる係と、ページを届ける係は別の仕事です。
30秒でできる確認を一つ。このページのアドレス欄をタップ(パソコンならクリック)して、全体を出してください。picoroutelab.com がDNSの調べた名前で、そのあとの /guides/what-is-dns/ がWebサーバーに求めたページの場所です。
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DNSを一文で説明してみよう
「インターネットのDNSを「サイトの名前からIPアドレスを調べて答える案内役」と自分の言葉で説明し、DNSエラーや古いページが出たときに最初に見る場所を選べるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。








