ボットネットとは?乗っ取られた機器が攻撃に使われる仕組み

別々の家のパソコンやルーターが外からの指示につながり、通信を一か所へ送る模型

30秒でわかる答え

ボットネットとは?

ボットネットは、不正に操作される多数の機器が、攻撃者の指示で動く仕組みです。パソコンだけでなく家庭のルーターなども、持ち主が知らないまま他人への攻撃に使われる場合があります。更新と管理設定の確認が大切です。

ボットネットは、不正に操作される多数の機器が、攻撃者の指示で動く仕組みです。パソコンだけでなく家庭のルーターなども、持ち主が知らないまま他人への攻撃に使われる場合があります。更新と管理設定の確認が大切です。

「自宅の機器から不正な通信が出ている」。そんな説明を聞いても、自分は攻撃などしていないと思うかもしれません。機器を使っている人と、その機器へ不正な指示を出している人が別にいる場合があります。その関係を知ると、注意喚起の意味を読み取りやすくなります。

ボットネットとは遠隔操作される機器の集まり

ここでいうボットは、攻撃者の指示に従って動くようにされてしまった機器や、その機器で動く不正なプログラムを指します。それらが集まって、攻撃などに使われるネットワークがボットネットです。

ボットという言葉自体は、自動で処理するプログラムにも使われます。問い合わせに答えるチャットボットなど、正当な用途もあります。「ボット」と名がつくものを、すべて犯罪用と考える必要はありません。

持ち主の操作とは別に、裏側で通信する

ボットネットでは、別々の家庭や組織にある機器が、一つの攻撃のために使われることがあります。機器の持ち主同士が知り合いである必要はありません。

攻撃の指示を受ける仕組みには、C&Cという言葉が出てくることがあります。「指示と制御」を意味する言葉で、何をさせるかを伝える役割です。ただし、すべてのボットネットが一台の司令塔だけで動くわけではなく、構成はさまざまです。

持ち主ではない相手の指示で、機器から通信が出る
1外部からの指示

攻撃者が機器に不正な動作をさせる

2複数の機器

別々のPCやルーターなどが指示に従って動く

3攻撃の対象

機器から大量の通信などが送られる

DDoSに使われる場合の模式図です。指示の伝え方や構成には種類があり、機器の所有者が自ら攻撃しているとは限りません。

この図で分けたいのは、指示が届く流れと、乗っ取られた機器から攻撃先へ通信が出る流れです。機器が自宅にあっても、その通信を本人が意図しているとは限りません。

家庭のルーターやIoT機器が狙われる理由

IoTは、カメラや家電など、さまざまな機器をネットにつなぐ考え方です。ネットワークカメラなら映像を確認でき、家電なら離れた場所から操作できるなどの便利さがあります。

その一方、機器には動作を制御するソフトウェアや、管理用の設定があります。外から利用できる管理機能、推測されやすいパスワード、修正されていない弱点などが、侵入の入口になる場合があります。接続しているだけで必ず感染する、という意味ではありません。

ルーターも、通信をつなぐ箱であると同時に、ソフトウェアで動く機器です。パソコンやスマホの更新は気にしていても、ルーターの更新は確認していなかった、ということが起こります。

大切な写真を入れていない機器も、無関係ではない

攻撃者が欲しいものは、保存された情報だけとは限りません。機器が通信できることや、処理を行えること自体が利用されます。「ルーターには秘密を保存していないから関係ない」とは言い切れない理由です。

また、感染しても、すぐに画面へ大きな異常が出るとは限りません。逆に、通信が遅いだけで感染と判断することもできません。回線の混雑や機器の不調など、別の原因もあります。見た目だけで決めず、メーカーや契約している回線事業者の案内を確認します。

ボットネットとDDoS攻撃の関係

DDoS攻撃は、多数の場所から通信などを集中させ、サービスを利用しにくくする攻撃です。ボットネットは、その多数の送信元として使われる場合があります。

つまり、ボットネットは「不正に動かされる機器の集まり」、DDoSは「サービスの利用を妨げる攻撃の方法」です。同じ言葉ではありません。

言葉何を指す?
ボットネット攻撃者の指示で動く機器の集まりや、その仕組み
DDoS攻撃多数の場所から負荷などをかけ、サービスを妨げる攻撃
マルウェア機器や情報へ害を与える不正なソフトウェアの総称

ボットネットの用途はDDoSだけではありません。迷惑メールの大量送信や、不正な広告クリックなどにも利用されます。JPNICの解説でも、こうした複数の用途が挙げられています。JPNICのボットネット解説

また、すべてのDDoS攻撃が、同じ種類の感染機器だけを使うわけではありません。攻撃の方法と、使われる機器を分けて理解すると、ニュースで言葉が並んでも混同しにくくなります。

IoT機器の更新・管理設定・サポートを確かめる

難しい通信の分析から始める必要はありません。まず、自分が管理する機器の型番と、公式の更新案内を確認します。ルーターがレンタル品なら、メーカーだけでなく契約先が管理する範囲も確認します。

ファームウェアは、機器を動かすソフトウェア

ルーターやカメラの更新案内では、「ファームウェア」という言葉がよく使われます。機器の基本的な動作を制御するソフトウェアのことです。ここに脆弱性が見つかると、修正版が配られる場合があります。

自動更新の設定があるか、現在の版が公式の案内に合っているか、更新の提供が続いているかを確認します。更新中に電源を切らないなど、機種ごとの注意点もあるため、提供元の手順に沿って進めます。

管理用パスワードと、外から使える機能を見直す

Wi-Fiにつなぐためのパスワードと、機器の設定画面へ入る管理用パスワードは、別になっている場合があります。「Wi-Fiのパスワードを変えたから管理設定も済んだ」と思い込まず、説明書で区別します。

管理用のパスワードが初期の共通値のままになっていないか、不要な外部からの管理機能を有効にしていないかを確認します。製品によっては最初から機器ごとに異なる認証情報を使うなど、設計が違うため、メーカーの案内を優先してください。

NTTドコモビジネスも、管理用パスワード、ファームウェア更新、意図しない設定変更、不要な外部アクセスなどの確認を案内しています。IoT機器の感染防止に関する案内

設定名の意味が分からないときは、一括で無効にせず、メーカーや管理担当者へ確認します。仕事、防犯、見守りなどに使う機能を止める前には、必要な役割への影響も考えます。

再起動だけで、対策が終わるとは限らない

再起動で不正なプログラムの動作が一時的に止まる場合はあります。ただし、侵入を許した設定や弱点が残れば、再び狙われる可能性があります。すべての感染が再起動で取り除かれるとも限りません。

ルーターの再起動は、不調を切り分ける場面では役立ちますが、修正や設定の見直しの代わりにはなりません。感染の指摘を受けた場合は、メーカーや契約先の案内に沿って、更新以外の対応が必要かも確認します。

国内には、悪用されるおそれのあるIoT機器などを調べ、回線事業者を通じて利用者へ注意喚起するNOTICEの取り組みもあります。通知が届いたときは、いきなりリンク先で操作するのではなく、契約先の公式窓口から内容を確認できます。NICTによるNOTICEの説明

本稿の公式資料の確認日は2026年10月22日です。機器ごとの修正版や対応方法は、メーカーや契約先の最新案内を確認してください。

まずは、家のルーターの型番と、更新案内の場所を一つ確かめるところからで十分です。普段は意識しない機器にも管理の窓口があると分かれば、注意喚起を受けたときの相談先も見つけやすくなります。

内容の最終確認日: