マルウェアとは?ウイルス・ランサムウェア・スパイウェアの違い

情報を壊す・盗む・使えなくする働きを、一つの整理箱の中で示す模型

30秒でわかる答え

マルウェアとは?

マルウェアは、情報を盗む、データを壊すなど、不正で有害な働きをする目的で作られたプログラムの総称です。ウイルスやランサムウェアは、その中の種類や働きを表す呼び方です。

マルウェアは、情報を盗む、データを壊すなど、不正で有害な働きをする目的で作られたプログラムの総称です。ウイルスやランサムウェアは、その中の種類や働きを表す呼び方です。

ニュースでは異なる名前が次々に出てきますが、すべて別の世界の話ではありません。「大きなくくりの名前なのか」「広がり方の名前なのか」「何をするかの名前なのか」を分けると、整理できます。

マルウェアとは悪い働きをするプログラムの総称

マルウェア(malware)は、悪意のあるという意味の「malicious」と、ソフトウェアを組み合わせた言葉です。PCだけでなく、スマートフォンやサーバーなどで動くものもあります。

普通のアプリもマルウェアも、コンピューターへ処理をさせるプログラムです。違うのは、マルウェアが利用者や管理者の意図に反して、情報を盗む、勝手に操作するといった有害な働きをする目的で作られる点です。

アプリが不具合で止まったからといって、そのアプリがマルウェアだと決まるわけではありません。単なる不具合と、悪意を持って作られたプログラムは区別します。

たとえば「感染したPCからログイン情報が盗まれた」というニュースなら、悪いプログラムが動き、保存された情報などを外へ送る働きをしたと考えると、話を追いやすくなります。ただし、実際にどの情報へ触れられたかは、そのプログラムの機能や与えられた権限によって違います。

官民連携のマルウェア対策プロジェクトACTIVEの解説でも、データの破壊、情報の収集、遠隔操作など、異なる被害が説明されています。画面が壊れて見えるものだけがマルウェアではありません。

マルウェアとウイルスは同じ意味?

厳密には、ウイルスはマルウェアの一種です。 マルウェアが大きなくくりで、その中にコンピューターウイルスが含まれます。

ウイルスは、ほかのプログラムやファイルに取り付き、増える仕組みを持つものを指します。人の病気を起こすウイルスそのものがPCに入るわけではありません。

一方、日常の説明では「ウイルス」という言葉が、有害なプログラム全体の意味で使われることもあります。「ウイルス対策ソフト」という名前でも、ウイルス以外のマルウェアを対象にする製品があります。名前だけで、対応範囲がウイルス一種類だとは判断できません。

名前主に何に注目した呼び方?見分けるための要点
マルウェア有害なプログラム全体この表の各種を含む大きなくくり
ウイルス取り付いて広がる仕組みほかのプログラムやファイルに寄生して増える
ワーム自ら広がる仕組み別のプログラムへの寄生を前提とせず、自分を複製して広がる
トロイの木馬入り込むための見せ方役立つソフトなどに見せかけ、利用者に動かさせる

この区別は、名前を暗記するためというより、「何を説明している言葉か」を知るためのものです。別のニュースで同じような被害が違う名前で説明されても、分類の見方が違う場合があります。

ランサムウェア・インフォスティーラーは何を狙う?

こちらは、主に「何をするか」「何を狙うか」に注目した呼び方です。

名前主な働き利用者に起こり得ること
ランサムウェアファイルなどを使えなくし、復元と引き換えに金銭を要求する写真や仕事のファイルが開けず、作業が止まる
スパイウェア操作や情報を、気づかれにくい形で収集する入力や行動などの情報を知られる
インフォスティーラー保存されたログイン用情報やファイルなどを盗むアカウントの不正利用や情報漏えいにつながる
ボットとして働くマルウェア外部の指示を受けて端末を動かす迷惑メール送信や、別の相手への攻撃に使われる
マルウェアの名前は、注目している点が違う
広がり方・入り方

ウイルス、ワーム、トロイの木馬など

働き・狙い

情報を盗む、監視する、使えなくするなど

別々の見方なので、同じプログラムに複数の特徴が重なる場合があります。厳密な全分類を示す図ではありません。

これらは、一つのプログラムにつき名前を一つだけ付ける分類ではありません。 役立つソフトに見せかけて入り、情報を盗む、といった複数の特徴を持つことがあります。情報を盗む働きと、ファイルを使えなくする働きが、同じ攻撃の中で組み合わされる場合もあります。

名前だけで被害のすべてを決めつけず、「何ができなくなったか」「何の情報が対象か」「ほかの操作も確認されたか」を読んでいくと、影響をつかみやすくなります。警視庁のマルウェア解説でも、種類と機能を分けて説明しています。

また、何も表示せずに情報を集めるものもあります。「変な画面が出ないから感染していない」とは言い切れません。反対に、ブラウザで「感染しています」と表示されただけでも、感染の証拠にはなりません。ソフトを入れさせるための偽の警告もあるからです。

マルウェア対策は入手経路・更新・権限を分けて考える

マルウェアが動く入口には、不審な添付ファイルやソフトの導入、ソフトの弱点の悪用などがあります。すべての感染が「怪しいものを自分で入れたから」起きるわけではありません。

ここでは、基本の対策を3つの確認に分けます。

入手経路:何を、どこから入れるか

ソフトを入れる前に、配布元と目的を確かめます。普段の公式サイトや正規のストアへ、自分で確かめた入口から進みます。公式の場所でも危険が絶対にないとは言えませんが、検索順位や広告の目立ち方だけで選ぶことは避けられます。

「無料で使える」「今すぐ直る」と急がせる表示だけを理由に、知らないアプリを入れないでください。仕事の資料に見える添付でも、心当たりがなければ、別の連絡手段で送り主へ確認します。フィッシングとは何かを知っておくと、だまして操作させる入口を理解できます。

更新:弱点が直った版を使う

OSやアプリに修正が出たら、正規の更新機能や提供元の案内から適用します。問題のある処理が残っていると、自分で不審なソフトを選ばなくても、それを入口として悪用される場合があります。

このようなソフトや設定上の弱点を脆弱性と呼びます。更新は、見た目や機能を変えるだけでなく、こうした弱点を直すためにも行われます。

権限:必要以上の操作を許可しない

権限とは、どの情報を見たり、どの操作をしたりしてよいかという許可です。アプリが求める写真・連絡先などへのアクセスが、その用途に必要かを見ます。よく分からないまま、安全機能を止める指示や、強い権限で動かす指示に従うのは避けましょう。

セキュリティ機能を有効にしておくことも大切ですが、一つの機能だけですべてを見つけられるとは限りません。入手経路を確かめる、更新する、許可を絞る対策を組み合わせます。

すでに感染が疑われる場合は、見知らぬ「駆除ツール」をさらに入れず、端末やセキュリティ製品の公式サポートで確認します。会社・学校の端末なら担当へ連絡し、自分だけで削除や初期化を進めないでください。

新しいソフトをすすめられたら、まず「誰が配っていて、何をするものか」を確かめる。その一手が、用語を覚えることと日々の使い方をつないでくれます。

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