ClickFixとは?偽の「人間です」認証で操作を求める手口

認証画面から端末の実行画面へ誘う線の途中で、操作を止める手

30秒でわかる答え

ClickFixとは?

ClickFix(クリックフィックス)は、認証やエラーの修復に見せかけて、利用者自身に不正な処理を実行させる手口です。別の画面に命令を貼り付けて実行するよう求められたら、操作を止めてください。

ClickFix(クリックフィックス)は、認証やエラーの修復に見せかけて、利用者自身に不正な処理を実行させる手口です。別の画面に命令を貼り付けて実行するよう求められたら、操作を止めてください。

「人間であることを確認するため、別の画面を開き、この文字を貼り付けて実行してください」。そんな案内が出たら、言われたとおりに進めず、操作を止めてください。確認のために見える作業が、端末を動かす指示になっている場合があります。

すでに操作した場合も、慌ててやり直す必要はありません。記事の後半で、どこまで操作したかを相談先へ伝えるための整理を紹介します。

ClickFixとは認証や修復を装って操作させる手口

Webサイトで「私はロボットではありません」と表示され、確認を求められたことはないでしょうか。人による利用か、自動のプログラムによる利用かを区別する仕組みの一つに、CAPTCHA(キャプチャ)があります。

ClickFixでは、こうした見慣れた表示や、「表示できないので修復してください」という案内を偽装します。困っている人に解決手順を示す形を取り、不正な操作へ進ませるのが特徴です。

ClickFixという名前のウイルスが一つあるわけではありません。利用者を操作へ誘う手口の名前であり、その先で入る不正なソフトや被害は、事例によって異なります。

NICTの観測報告では、偽の認証画面から、端末上で指示を実行させる流れが確認されています。2026年4月に公開された、2025年12月の観測です。画面に目立つ変化がないまま処理が進んだ例もあり、「何も起きなかったように見えた」だけでは判断できません。

「確認のつもり」が、端末への指示へ変わる
1見慣れた表示

認証や修復の案内を本物のように見せる

2追加操作へ誘導

別の画面を開いて文字を貼り付けるよう求める

3不正な処理を実行

従うと、端末上で望まない処理が動くおそれ

代表的な流れの模式図です。画面を見たことやコピーしたことだけで、実行済みと断定はできません。

不安をあおる警告だけでなく、「あと一手間で見られる」という案内にも注意が必要です。続きを早く見たい、仕事を止めたくないという気持ちが、説明を確かめる時間を短くしてしまうからです。

偽CAPTCHAでコマンドの貼り付けを求める理由

コマンドは、コンピューターへしてほしい処理を文字で伝える指示です。正規の作業でも使いますが、内容によっては、ソフトの取得や起動なども行えます。

文字をコピーしたときに一時的に置く場所を「クリップボード」と呼びます。ClickFixでは、ボタンを押した際などに不正な指示をここへ入れ、その後、利用者に貼り付けて実行させる例があります。

利用者には、「チェックした」「案内されたキーを押した」としか見えないかもしれません。しかし、端末側では、貼り付けられた内容を指示として受け取ることがあります。

目に見える案内確かめたいこと
人間か確認するため、と言われたなぜ端末の実行画面を開く必要があるのか
修復のために文字を貼り付ける、と言われたその指示を誰が出し、何を実行するのか
保護機能を止めるよう言われた解決を口実に、守る機能を外させていないか
有名な会社のロゴがあるロゴだけで正規の案内だと判断していないか

神奈川県警の防止資料も、確認画面の後に続く貼り付け・実行の指示を、警戒する目印に挙げています。

チェックボックスがあれば偽物なのか

チェックボックスや画像選択による確認は、正規のサイトでも使われます。それだけを見て偽物と決めることはできません。反対に、よくある表示に似ていれば安全とも言えません。

見るべきなのは、Webサイトの確認から、端末で何かを実行する操作へ進ませようとしていないかです。キーの組み合わせを全部暗記するより、この変化に気付けると役立ちます。

ターミナルなどの文字の画面自体が危険なわけでもありません。コンピューターが指示を処理する基本は、プログラムはどう動くかで説明しています。不明なWebページが示す指示を、その意味を確かめず実行しないことが大切です。

ClickFixとFileFixは誘導する画面が違う

FileFix(ファイルフィックス)は、ファイルを開く、受け取るといった操作に見せかけ、指示を実行させる関連の手口です。NICTの報告では、ファイルを扱うエクスプローラーの画面へ誘導する例が紹介されています。

名前や画面が変わっても、利用者に正規の作業だと思わせて、不正な処理をさせる点は共通しています。

手口口実や画面の例共通して止まる目印
ClickFix偽の認証、表示エラーや不具合の修復意味の分からない文字を貼り付け、端末で実行するよう求める
FileFixファイルを受け取るための操作案内ファイル操作に見せかけ、別の処理を実行させようとする

これは代表例の比較です。すべての攻撃が同じ画面や手順になるわけではありません。また、ファイル名やアドレスをコピーする操作が、すべて攻撃という意味でもありません。

フィッシングは、偽の案内で情報を入力させるなどして盗む手口です。ClickFixでは、入力する情報だけでなく、「その案内で自分の端末に何をさせているか」にも注意を向けます。

ClickFixの操作をしてしまったときの相談と記録

操作の内容によって、確認すべき範囲が変わります。次の表は感染を判定するものではなく、相談先へ経緯を伝えるための整理です。

自分が行ったこと次にすること
画面を見ただけで、指示には従っていない不審なページから離れ、追加操作をしない
ボタンを押した、または何かをコピーした実行画面などへ貼り付けない。どの操作まで行ったか残す
指示を貼り付けて実行した会社・学校なら管理担当へすぐ連絡する。個人端末でも公式窓口へ相談する
パスワードなども入力した端末への対処に加え、対象アカウントの公式の保護手順を確認する

実行した場合や感染が疑われる場合は、組織の手順に従って通信を切り離し、その端末へ大切な情報を入力し続けないでください。自分だけで初期化や削除を繰り返すと、調査に必要な情報を失うおそれがあります。

相談するときは、時刻、開いたサイト、表示された説明、押したボタン、貼り付けや実行をしたかを、覚えている範囲で伝えます。実行した指示が分からなくても、原因を特定してから相談する必要はありません。危険な指示を確かめるために、もう一度実行することは避けます。

アカウントの保護を行う場合は、感染の疑いがない別の端末などから、普段利用する公式アプリや公式窓口へ進みます。二要素認証などの設定も役立ちますが、端末に残る不正な処理を取り除く対応の代わりにはなりません。

ClickFixを見抜くために、攻撃の文字列を読めるようになる必要はありません。認証や修復の案内が、端末での不明な実行へ変わったら止まる。 まずはこの目印を覚えておくと、見慣れた画面に急がされても、一度確認する余地を残せます。

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