イト
今の負け、ぜったいラグのせい! ラグくなかったら勝ってた!
マコト
どんなふうだった? 遅れた、飛んだ、画面ごとカクカクした。どれかで、見る場所が変わるよ
ピコルート・ラボで、カートの対戦に負けた直後です。マコトが聞いた3つは、次に何を確かめるかを選ぶ手がかりになります。
オンラインゲームのラグは、通信の遅れやデータの取りこぼし、ゲーム機やパソコンの処理などで起こります。見え方だけでは原因を決められませんが、次に確認する場所を選ぶ手がかりになります。
たとえば本体の描画処理が追いついていない場合は、回線だけを速くしても改善しません。契約や機器を替える前に、通信の数字と本体の動きを分けて見ます。
ゲームがラグい原因はどれ?見え方で見分ける早見表
| 見え方 | 疑う場所 | 最初に試すこと |
|---|---|---|
| 動きが遅れる。押してから反応が遅い、先に撃ったのに負ける | 通信の往復の遅れ(ping)や、入力から表示までの遅れ | ゲームの中のpingの数字を、昼と夜で見比べる |
| ワープする。相手が止まってから瞬間移動する、自分が少し前の場所へ戻される | データの取りこぼし(パケットロス)、到着時刻の乱れ、サーバーとの位置ずれ | ルーターのそばか有線で、同じゲームをもう一度 |
| 画面全体がカクカクする。景色ごとコマ送りになる | ゲーム機・パソコンの描画処理。fpsの低下も確認する | 通信しないモードで、同じカクカクが出るか見る |
※ 右の2列は、最初に疑う場所と最初の一手です。1行目と2行目は重なって出ることがあり、ほかの人にも同時に起きていれば、ゲームのサーバーや共通の通信経路も候補になります。
イトの負け方は「相手が一瞬飛んだ」。表の2行目です。マコトがどこから確かめたかを、4ページの漫画で先に見てください。
漫画:もう一戦、その前に 全4ページ
負けた直後、「ラグのせい!」と言うイト。マコトと画面に何が起きたかを思い出し、次の一戦の前に確かめます。
画像を押すと拡大できます。+/−で大きさを変え、拡大中はドラッグして読めます。
ゲームと画面は架空です。相手が飛んだ見え方だけでパケットロスや原因を断定せず、近くでも再発しただけで宅内を除外しません。最後のオフライン練習の衝突は操作の話で、対戦中のラグが本人のせいという意味ではありません。
ノートに並んだ候補は4つ。どれも通信の話です。最後のページでは、イトが通信しない練習に切り替えました。通信を外して比べる。この手は、表の3行目を見分けるときにも使います。
TERM PRIMER
オンラインゲームのラグ|この記事に出てくる言葉
遅れる・ワープ・カクカクで、なぜ原因が変わる?
ラグ(lag)は「遅れ」のこと。「ラグい」は、その遅れやずれが画面に出た状態です。NVIDIAの解説は、遅れを2種類に分けています。ゲームとサーバーを往復する遅れと、操作してから画面が変わるまでの遅れ。後のほうに、サーバーは関係しません。関わるのは周辺機器、本体、画面だけです。
- 遅れる: 操作は小さなデータ(パケット)になってサーバーへ行き、結果が戻ってきます。この往復が長いと、弾が当たった結果も、ドアが開くのも遅れます。通信の遅れをレイテンシと呼び、往復の時間を数字にしたものがpingです
- ワープする: 途中でデータが落ちたり、順番が入れ替わったりすると、画面とサーバーで位置がずれます。相手は一瞬止まってから本来の位置へ飛び、自分は輪ゴムで引かれたように、サーバーが見ていた位置へ戻されます。落とし物の数え方はパケットロスとはにあります
- カクカクする: 1秒に何枚の絵を出せるか(fps)は、本体の仕事です。通信が完ぺきでも、本体の処理が追いつかなければ、画面はコマ送りになります
カクカクには、見分けどころがあります。キャラクターだけが一瞬止まったように動く場合は、通信の遅れや損失なども候補です。「Call of Duty」の公式サポートが、ラグの症状に数えています。景色ごとコマ送りになるのが、表の3行目です。
見え方が教えてくれるのは、最初に疑う場所までです。Riot Gamesの技術解説でも、データの到着の遅れや欠落、端末とサーバーの予測のずれが、位置を急に戻す動きにつながると説明しています。ワープしたという一つの見え方を、パケットロスだけに結び付けないようにします。
回線・本体・サーバーのどれ?原因を特定する順番
お金がかからず、すぐ結果が出るものから並べます。変えるのは、一度に一つです。
- 見え方を一言でメモする。イトのノートなら「相手が一瞬飛んだ」
- 通信しないモードで、同じ場面を動かす(無ければ、通信しない別のゲームで)。そこでも同じ症状が出るなら、本体・入力機器・画面を先に確認します。別のゲームでは処理の重さも変わるため、結果は手がかりとして扱います
- 公式の稼働状況を見る。PlayStationはPlayStationステータス、任天堂はネットワークメンテナンス情報・稼働状況。ゲームごとの障害は、そのゲームの公式サイトで確かめます
- いっしょに遊んでいる人に聞く。同じ場面で相手も引っかかったなら、サーバーや共通の通信経路も候補に入れます
- ルーターのそばか有線で、同じゲームをもう一度。改善が繰り返し確認できれば、家の中のWi-Fiが関わっている可能性が高まります
- 昼と夜で比べる。夜だけ悪ければ、家の中や回線・サーバーの混雑を候補にします。いつも遅ければ、接続先までの距離や通信経路、本体の処理も確認します
2の「画面の側」は、テレビのことです。任天堂のサポートによると、テレビにつないで遊ぶときは、テレビの中の処理のぶん、操作に対して映像が遅れることがあります。故障ではなく、テレビに「ゲームモード」などの機能があれば、処理の時間を短くできます。
3で障害が確認できた場合は、運営の案内に従い、復旧を待ちます。4で同じ症状が分かっただけなら、まだ原因が確定したわけではありません。任天堂のページは反映が遅れることがあるので、少し置いてもう一度見ます。
漫画のイトは、5で「近くでも、また飛んだ」。マコトは家の中を候補に残したまま、家の外とサーバーも調べることにしました。決めるのは、同じ結果が続いてからです。
ゲーム機にも、通信を調べる機能があります。ただし、ラグの正体は測ってくれません。
接続テストはどこにある?PS5・PS4・Switchで分かること
| 本体 | 接続テストの場所 |
|---|---|
| PS5 | 設定 → ネットワーク → 接続状況 →「インターネット接続を診断する」 |
| PS4 | 設定 → ネットワーク →「インターネット接続を診断する」 |
| Switch 2・Switch | HOMEメニューの設定 → インターネット →「接続テスト」 |
※ PlayStationのサポート、PS4のユーザーズガイド、任天堂のQ&Aで、2026年10月10日に確認。
PS4のユーザーズガイドにある結果の項目は、IPアドレスの取得、インターネット接続、PlayStation Networkへのサインイン、NATタイプ、通信速度(ダウンロードとアップロード)。往復の遅れは、項目にありません。速度にも「予測値」と注が付いています。テストに成功しても、ラグが無い証明にはなりません。
見ておきたいのは、NATタイプです。ほかのゲーム機とつながりやすいかの目安で、対戦や協力プレイに入れないときの手がかりになります。
| 表示 | 公式の説明 |
|---|---|
| PS4のタイプ1・タイプ2 | インターネットに直接、またはルーターを通してつながっている |
| PS4のタイプ3 | ほかのPS4と通信できず、ネットワークの機能が制限される場合がある |
| SwitchのA・B | 対戦・協力プレイを比較的しやすい |
| SwitchのC・D | 対戦・協力プレイに最適ではない |
| SwitchのF | インターネットを通した対戦・協力プレイができない |
C・D・Fの対処は、ルーターの設定やプロバイダーへの確認になります。任天堂も「ネットワークにくわしい方」向けとしているので、設定を変える前に、いまの値をメモしてください。住所を変換するしくみはNATとはにあります。
場所の見当がついたら、次は、そこを自分で動かせるかです。
原因が分かったら対策は?自分で動かせるのは、ほぼ家の中だけ
通信の原因として出てきた場所は、漫画のノートと同じ4つです。サーバー側、家の中、回線の混雑、距離。このうち自分の手で動かせるのは、ほぼ家の中だけです。距離の遅れは、信号が進むのにかかる時間そのもの。家の機器をいくら替えても縮みません。
家の中の直し方(有線、5GHz、ルーターとの距離、ほかの通信)、近いサーバーの選び方、夜の混雑と接続方式、何msから高いかの公式の目安は、ゲームのpingが高い理由に手順ごとまとめました。pingの数字は低いのに引っかかるときの読み方(遅れの揺れ幅=ジッター)も、同じ記事の最後にあります。マンションで夜だけ悪いなら、建物の中の分け合いも候補です(マンションのネットが夜だけ遅いのはなぜ)。
速い回線に替えれば、ラグは直る?
イト
じゃあ、いちばん速い回線にすれば、ぜんぶ直るんでしょ?
マコト
ゲームが送り合っているデータは、小さいんだ。足りないのは、速さじゃないことが多いよ
「Call of Duty」の同じサポートページは、ほとんどのオンラインゲームは高い帯域を必要としない、と書いています。帯域は、決まった時間に運べるデータの量、いわば道の太さです。足りなくなるのは、同じ回線で家族が動画や音楽を流しているときや、自分がプレイを配信しているときです。
PlayStationのリモートプレイは、別の機器からゲーム機を操作する遊び方で、ゲームの画面も通信で運びます。それでも必要な速さは、上りも下りも5Mbps以上。最大1Gbpsの契約なら、その200分の1です。
だから、回線の契約を変えるのは、いちばん最後です。原因が本体やサーバー側なら、費用だけが増えて、何も変わりません。
ミニクイズ:ラグの原因を見分けられる?
Q1. オンラインゲームのラグは、なぜ起きますか?
A. 通信の遅れや損失、本体の処理、サーバー側などが関わります。見え方は確認先を選ぶ手がかりですが、それだけで原因は確定できません。
Q2. ゲームがラグい原因が回線か本体かサーバーかは、どう特定しますか?
A. 通信しない場面でも出るか、公式の障害情報があるか、ほかの人にも出るかを確かめます。さらに有線とWi-Fi、時間帯などを一条件ずつ比べ、pingやfpsの数字と合わせて候補を絞ります。
Q3. 接続テストに成功すれば、ラグは起きませんか?
A. 起きることがあります。PS4の接続テストの項目に、往復の遅れはありません。分かるのは、つながっているか、NATタイプ、通信速度の予測値です。
次に「ラグい」と思ったら、見え方を一言で書く
通信しない練習でイトがコーンに当たったのは、ラグではなく曲がり方でした。イトは笑って、もう一回。ノートには「相手が一瞬飛んだ」の一行が残っています。
あなたも次の一戦の前に、一行だけ書いてください。
あのラグは、____(遅れた/飛んだ/カクカクした)。だから最初に見るのは____。
3回ぶんたまると、自分の家の癖が見えてきます。
有線で試すなら、LANケーブルの例はゲームのpingが高い理由の最後に置きました。往復の遅れを時計で体感する場面は、物語の第29話にあります。
この記事について
LAB WHITEBOARD
オンラインゲームのラグを一文で説明してみよう
「ラグを「遅れる・ワープする・画面全体がカクカクする」の3つの見え方に分け、回線・本体・サーバーのどこを疑うかを選び、お金のかからない順に確かめられるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。







