仕組みを知る

MACアドレスとは?IPアドレスとの違いと、Wi-Fi設定で見かける理由

MACアドレスとは、スマホやPCの通信部品ごとに付いている端末の名札のような番号です。通信の宛先に使う住所であるIPアドレスとの違い、ルーターの端末一覧やDHCP予約で出てくる理由、番号が変わって見える理由が分かります。

MACアドレスとは?IPアドレスとの違いと、Wi-Fi設定で見かける理由

30秒でわかる答え

MACアドレスとは、スマホやPCの通信部品ごとに付いている端末の名札のような番号です。IPアドレスが通信の宛先に使う住所で変わるのに対し、MACアドレスは同じWi-Fiの中で端末を見分けるのに使い、ルーターのDHCP予約の手がかりになります。

TERM PRIMER

MACアドレス|先に知っておく言葉

MACアドレス
機器の通信部品ごとに割り当てられた識別番号です。同じ機器でも有線と無線では別の番号になります。
IPアドレス
ネットワーク上の機器やサーバーを見つけるための住所のような番号です。
Wi-Fi
ケーブルを使わず、電波で端末をネットワークにつなぐしくみです。
DHCP
つないだ機器へ、IPアドレスなどの設定を自動で配る仕組みです。
端末
スマホ、パソコン、タブレットなど、人が直接さわって使う機器です。

スマホのWi-Fi設定を開いたら、IPアドレスの下に「MACアドレス」という、英数字が2桁ずつ区切られた番号が並んでいた。住所はIPアドレスのはずなのに、この番号は何なのでしょうか。

MACアドレスとは、スマホやPCの通信部品ごとに付いている、端末の名札のような番号です。 IPアドレスが通信の宛先に使う住所で、つなぐ場所が変わると変わるのに対し、MACアドレスは同じWi-Fiの中で「どの端末か」を見分けるために使います。

MACアドレスとIPアドレスの違い:名札と住所

二つを表にすると、役割の違いが見えます。

項目MACアドレスIPアドレス
たとえ端末の名札通信上の住所
見かける場所Wi-Fi設定、ルーターの端末一覧ネットワーク設定、接続情報
変わり方部品ごとに決まっている(設定で変えて見せることはある)つなぐネットワークやDHCPで変わる
主な役割同じネットワークの中で端末を見分ける宛先へ通信を届ける

住所で荷物を届け、名札で近くの人を見分ける。この分け方で、二つは混ざりません。IPアドレスとはと並べると、IPは道案内に使う住所、MACは近い範囲で端末を見分ける名札です。

イト

Wi-Fi設定にMACアドレスって出てきたよ。IPアドレスとは違うの?

ユイ

住所と名札の違いみたいに分けられそうですね

ピコ

その見方でいこう。MACアドレスは端末側の名札として出てくることが多いよ

第20話「荷物の宛先はどう決まる?」の案内板を、今回は端末の名札まで近づいて見ます。

MACアドレスとは何を見分ける番号か:通信部品ごとの名札

MACアドレスが付いているのは、端末そのものではなく、通信する部品ごとです。スマホのWi-Fiの部品、PCの有線LANの部品、ルーターの無線の部品に、それぞれ別の番号があります。だから同じPCでも、Wi-Fiと有線LANではMACアドレスが違います。

ピコルート・ラボの入口では、イトのスマホに名札が付いています。別の部屋へ移動してIPアドレスが変わっても、名札の番号は同じままです。

イトとユイとピコが、スマホやPCに付いた端末の名札と通信上の住所カードを見比べている
MACアドレスは近い範囲で端末を見分ける名札、IPアドレスは通信で使う住所として分けます。

イト

住所は変わることがあっても、端末の名札として見る番号があるんだ

ピコ

そう。ただし最近の端末はプライバシー保護でランダム化する場合もあるよ

ピコの言うとおり、いまのスマホやPCには、Wi-Fiごとに別のMACアドレスを使う「プライベートアドレス」の機能があります。外出先のWi-Fiで同じ名札を見せ続けないための仕組みです。この機能が有効だと、設定画面の番号と、部品に元から付いている番号が一致しません。「MACアドレスは一つの固定番号」とだけ覚えていると、ここで迷います。

MACアドレスを確認するときの注意:取り違えないための4点

ルーターの端末一覧やWi-Fi設定でMACアドレスを見るときは、次の四つを押さえます。

  • Wi-Fi用と有線LAN用で番号が違う。見ている部品はどちらか
  • プライベートアドレス機能が有効だと、Wi-Fiごとに番号が変わって見える
  • 似た端末名が並ぶと取り違えやすい。接続時刻も一緒に見る
  • MACアドレスだけで「誰の端末か」までは決められない

ルーターの端末一覧に知らない名札があったら、端末名、つながった時刻、家族の端末のプライベートアドレス設定を合わせて見ます。家族のスマホが新しい番号で出ているだけ、ということがよくあります。Wi-Fiの中で名札がどう使われるかはWi-Fiの仕組みにつながります。

名札は、見分けるためだけではなく、ルーターの設定でも使われます。

MACアドレスがDHCP予約やWi-Fi制限で使われる理由

家庭用ルーターの管理画面でMACアドレスが出てくる代表が、DHCP予約です。ルーターはふだん、つないだ端末に空いている住所(IPアドレス)を配ります。プリンターやゲーム機のように「いつも同じ住所にしたい」端末には、「この名札の端末には、この住所を渡す」と予約しておけます。名札が手がかりになるのは、住所とちがって端末ごとに決まっているからです。

イトとユイとピコが、ルーターの端末一覧で名札を手がかりに同じ住所を予約する様子を見ている
DHCP予約では、端末の名札を手がかりに、同じ住所を渡す設定をすることがあります。

住所の配り方はDHCPとはにあります。もう一つ、Wi-Fiの接続を特定のMACアドレスだけ許可する機能もあります。ただし名札は見せ方を変えられるので、この機能だけでWi-Fiの安全は決まりません。守りの中心はパスワードと暗号化方式、ルーターの更新で、MACアドレス制限はその上に足す一枚です。

MACアドレスかIPアドレスか、4つを仕分けるワーク

次の四つを、MACアドレスかIPアドレスかに分けてみてください。

  • ルーターの端末一覧に表示される端末の識別番号
  • 192.168から始まる家の中の住所
  • DHCP予約で端末を見分ける手がかり
  • 外のWebサイトへ通信するときに使う宛先

答えは、端末の識別番号とDHCP予約の手がかりがMACアドレス、家の中の住所と通信の宛先がIPアドレスです。

MACアドレスでよくある質問

Q1. MACアドレスを一言でいうと?

A. 通信する部品ごとに付いている、端末の名札のような番号です。同じWi-Fiの中で端末を見分けるのに使います。

Q2. スマホの設定に出るMACアドレスが、ルーターの一覧の番号と違います。故障ですか?

A. 故障ではありません。プライベートアドレス機能が有効だと、Wi-Fiごとに別の番号を使います。設定画面の同じ項目に、その切り替えがあります。

Q3. MACアドレスを人に知られると危険ですか?

A. 番号だけで住所や名前が分かるものではありません。ただし外出先で同じ名札を見せ続けないために、プライベートアドレス機能は有効のままにしておきます。

MACアドレスは名札、IPアドレスは住所:Wi-Fi設定で確かめる

冒頭のWi-Fi設定に戻ります。IPアドレスの下に並んでいた番号は、この端末のWi-Fi部品の名札でした。「IPは住所、MACは名札」。この一言で、ルーターの端末一覧も、DHCP予約の画面も読めます。

今すぐできる一歩は、自分のスマホのWi-Fi設定でMACアドレスの欄を見つけ、その近くにプライベートアドレスの切り替えがあるかを確かめることです。あれば、ルーターの一覧で番号が違って見える理由はそこにあります。住所を配る側の仕組みはDHCPとはへ続きます。

LAB WHITEBOARD

MACアドレスを一文で説明してみよう

「MACアドレスを端末の名札、IPアドレスを通信の住所と言い分け、ルーターの端末一覧やDHCP予約でMACアドレスが使われる理由と、プライベートアドレス機能で番号が変わって見える理由を説明できる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。