「さっきあったファイルの名前が出ない。消してしまった?」。文字の画面では、いま見ている場所が変わっただけということもあります。
pwdは今いる場所を聞く指示、lsはその中にあるものを見る指示、cdは作業する場所を変える指示です。三つを図で見比べてみましょう。自分のPCでコマンドを動かさなくても読めます。
まず、入れものが重なっている様子を見る
写真や文書などのファイルをまとめる入れものを、フォルダと呼びます。フォルダの中には、さらに別のフォルダを入れられます。
下の図には、自分用の場所の中にpico-practiceがあり、その中にnotes、さらにその中にmemo.txtというファイルがあります。名前は練習用の例です。図の中でどこを見るかを選ぶと、返ってくる文字のちがいが分かります。
同じ入れものを、ちがう場所から見る
図の中で、見る場所を変えてみましょう。PCのファイルを動かす機能はありません。
自分用の場所 /home/node
└─ pico-practice
└─ notes
└─ memo.txt自分用の場所から見ると
- いまいる場所を聞く
pwd /home/node- 中にある名前を見る
ls pico-practice
練習用フォルダが見えます。その中のmemo.txtは、この一覧にはまだ出ません。
練習用フォルダから見ると
- いまいる場所を聞く
pwd /home/node/pico-practice- 中にある名前を見る
ls notes
この中にあるnotesが見えます。自分がいるpico-practiceの名前を並べる一覧ではありません。
その中のnotesから見ると
- いまいる場所を聞く
pwd /home/node/pico-practice/notes- 中にある名前を見る
ls memo.txt
ここまで入ると、memo.txtが見えます。ファイルをここへ動かしたわけではありません。
同じ入れものでも、見る場所が変わると、すぐ中にあるものが変わります。memo.txtが最初からあることと、今の一覧にその名前が出ることは別なのです。
pwdは「いま、どこ?」への答え
文字の画面には、「今ここで作業する」という場所があります。pwdを打つと、その場所を文字で教えてくれます。
図の中で自分用の場所を選んだときは、/home/node。練習用フォルダを選ぶと、/home/node/pico-practiceです。
このように場所を表す書き方をパスといいます。/で区切られた名前をたどると、どのフォルダの中にいるかを読めます。今はすべての書き方を覚えず、前より名前が一つ増えたところを見てください。
lsは「ここに何がある?」への答え
lsだけを打つと、今いるフォルダの中の名前が出ます。図でpico-practiceの中にいるときは、notesが出ます。自分がいる場所の名前をもう一度出す指示ではありません。
さらにnotesの中を見ると、memo.txtが出ます。はじめの場所で見えなかったファイルが、ここで見つかりました。
この例のlsは、奥にあるフォルダをすべて開いて一覧にしているわけではありません。また、名前が点で始まるものなど、ふつうのlsでは出ないものもあります。一覧にないという理由だけで「消えた」とは決めず、まず場所を確かめます。
cdで変わるのは、作業する場所
pico-practiceの中で、次の指示を送ったとします。
cd notes
cdの後ろのnotesが、次に作業する場所の名前です。cdと名前の間には半角の空白を入れます。実際に試す場合は、自分で練習用のnotesを用意した場所で使います。この記事の図を見ただけでは、自分のPCに同じものはできていません。
この操作で、memo.txtをほかの場所へ動かしたわけではありません。 ファイルは同じところにあり、こちらの作業場所が変わります。
マウスで外のフォルダを開いたり、中のフォルダを開いたりしても、写真そのものが別の場所へ運ばれないのと似ています。cdも、ファイルを運ぶ操作とは分けて考えます。
戻ったら見えなくなった。でも、消えてはいない
notesの中から一つ外へ戻る指示は、cd ..です。..は一つ外のフォルダを表します。
戻ってからlsを見ると、図ではまたnotesが出ます。memo.txtという名前は出なくなりましたが、notesの中に残っています。場所を変える前と後で、入れものの図そのものは変わっていません。
| 確かめたいこと | 使う指示 | この図で変わること |
|---|---|---|
| いまどこにいる? | pwd | 今の場所が文字で出る |
| その中に何がある? | ls | その場所の中の名前が出る |
| 別の場所で作業したい | cd | 作業場所が変わる。ファイル自体は運ばない |
名前が見えないときは、今いる場所から
次にファイルが見つからなくなったら、まずpwdで場所を見ます。AIが作業しているなら、「今どのフォルダにいて、その中の何を見ていますか」と聞けます。
それでも見つからなければ、名前の書き方や、別の場所にしまった可能性を確かめます。「ないから作り直す」「いらないから消す」へ進む前に、見ている場所を一つ確かめる。それが、この三つの指示をつなぐ使い方です。
自分でも試したくなったら、練習用フォルダを一つ作る手順で、自分の大事なファイルと分けてはじめられます。
この記事について
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pwd・ls・cdを一文で説明してみよう
「見る場所を変えたとき、一覧が変わってもファイル自体は動かないと説明できる」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。

