GPSの仕組み|衛星の信号からスマホの現在地が分かる理由

ラボの地球模型とスマホに四つの衛星模型から光が届く、実際の縮尺ではないGPSの説明用イラスト

30秒でわかる答え

GPSは、衛星が送る時刻や位置の情報を端末が受け取り、信号が届くまでの時間から自分の位置を計算する仕組みです。現在地を求めることと、地図をインターネットから読み込むことは別の仕事です。

GPSは、衛星が送る時刻や位置の情報を端末が受け取り、信号が届くまでの時間から自分の位置を計算する仕組みです。現在地を求めることと、地図をインターネットから読み込むことは別の仕事です。

携帯電話が圏外なのに、地図の現在地は動いている。反対に、道路の地図は見えているのに、現在地の印がずれる。どちらも「地図が動く」という一つの機能に見えますが、裏では違う情報を組み合わせています。

GPSの仕組み|衛星から受け取り、端末で計算する

GPSは、アメリカの衛星測位システムです。「測位」は、位置を求めること。衛星が地上のスマホを一台ずつ撮影し、「あなたはここ」と知らせているわけではありません。

衛星から届くのは、信号を出した時刻や、衛星の位置を知るための情報です。スマホなどの受信機は、複数の衛星から届いた信号を使い、自分の位置を計算します。

ここで説明するGPSの受信では、端末から衛星へ「私を探して」と問い合わせる往復通信はしません。衛星から送られる信号を受け取ります。ただし、これはスマホのアプリが位置情報を外部へ送らない、という意味ではありません。測位と、アプリによる情報の利用は別の話です。

ユイ

GPSが地図まで送ってくれるなら、圏外でも全部使えるんですか

マコト

衛星の信号で分かるのは位置や時刻だよ。道路の地図を用意する仕事は、別にあるんだ

ラボでは、スマホ画面の「現在地の印」と「背景の地図」を分けて見ます。印を置く場所が分かっても、その下に描く道路や店の情報まで、GPSの信号に入っているわけではありません。

時刻から距離を求める|複数の衛星を使う理由

信号は、衛星を出てから端末へ届くまでに時間がかかります。届くまでの時間が分かれば、電波が進む速さを使って、衛星からの距離を求められます。

たとえば「駅から1kmの場所」とだけ言われても、駅の東か西かは分かりません。さらに別の目印からの距離も分かると、候補を絞れます。GPSも、複数の衛星の位置と距離の関係を合わせて計算します。

ただし、地図に円を描くだけのたとえでは、実際の計算をすべて表せません。現実には高さもある三次元の位置に加え、端末の時計のずれも求めます。そのため、通常は4機以上の衛星の信号を使います。

計算で使うものその役割
衛星の位置に関する情報距離を測る基準になる場所を知る
信号を出した時刻届くまでにかかった時間を考える
複数の衛星からの信号距離の関係を合わせて位置を絞る
受信機の時計のずれ時刻のずれを含めて位置を計算する

「4機目だけが時計を直し、残り3機だけが位置を担当する」という役割分担ではありません。複数の信号を組み合わせ、位置と時計のずれを一緒に求めます。

現在地・地図・新しい情報は、それぞれ役割が違う

左の四つの衛星から端末へ測位信号が届き、右のサーバー側からは別の経路で地図データが届く模式図
左は位置を計算するための信号、右は地図データの取得です。地図を端末へ保存済みなら、表示のたびに右の通信が必要とは限りません。実際の距離や縮尺を示す図ではありません。

地図アプリでは、計算した位置を道路の地図に重ねます。さらに、店の情報や交通情報、経路などを表示する場合があります。それぞれが同じ方法で届くわけではありません。

画面にあるもの用意する仕事通信との関係
現在地の印端末の位置を求めるGPSは衛星信号を受信する。スマホではほかの情報も組み合わせる場合がある
道路や地形の地図地図データを表示するネットから取得するほか、保存した地図を使う場合もある
新しい検索結果や交通情報サービスから情報を受け取るインターネット接続が必要な機能がある

携帯電話の「圏外」は、その携帯回線につながらない状態です。GPSの信号が受信できるかどうかとは、条件が異なります。圏外でも、受信条件がよければ位置を求められる場合があります。

一方で、位置が分かっても、未保存の地図や新しい検索結果を読み込めるとは限りません。オフライン地図も、対応する地域、保存した範囲、有効期限、使える案内機能などに条件があります。地図を保存しただけで、オンライン時の機能がすべて使えるとは考えないようにしましょう。

GPSの信号を受け取ることと、衛星経由でインターネットに接続することも別です。後者の通信経路は、衛星インターネットの仕組みで説明しています。

屋内やビルの近くで、現在地がずれるのはなぜ?

衛星からの信号は、建物や木などに遮られたり、壁で反射したりします。反射して遠回りした信号は、そのままの距離として扱うと位置の計算にずれを生みます。

受信できる衛星の配置や端末の性能なども、結果に関わります。4機以上の信号があれば、どんな場所でも同じ精度になるわけではありません。「いつも何m以内」と一つの数字で保証することはできません。

また、現在地の計算が合っていても、背景の道路や店の登録場所が違っている場合があります。印のずれと地図データの誤りは、同じ問題ではありません。見えている地図だけから、GPSが壊れたと決めないようにします。

スマホの現在地には、GPS以外の衛星システムやWi-Fiなどの情報が使われることもあります。GPSなどの衛星測位システムをまとめた呼び名がGNSSです。端末が何に対応するかは機種によるため、現在地の印をすべてGPSだけの結果と決めつけないことも大切です。

地図の画面を読む|三つに分けて確認してみる

普段の地図アプリを安全に立ち止まった場所で開き、次の三つを見分けてみましょう。受信を試すために、圏外の場所へ出かける必要はありません。

  1. 現在地の印:端末がどこにいると示されているか。
  2. 背景の地図:道路や地形が描かれているか。利用アプリに保存済み地図の案内があるか。
  3. 新しく調べる情報:店の検索結果や交通情報など、通信を使う機能はどれか。

小さなクイズです。「地図が表示されていれば、現在地の計算も正しい?」。答えは「それだけでは分からない」です。保存した地図が表示されていても、現在地の受信・計算がうまくいっているとは限りません。

困ったときも、「地図が出ない」のか「現在地の印がずれる」のかを分けて説明できます。携帯回線そのものが圏外のときは、スマホが圏外になる理由で、回線側の確認へ進めます。

GPSのよくある質問

Q1. GPS衛星はスマホを撮影して探しているのですか?

A. いいえ。衛星が送る時刻や位置に関する信号を端末が受け取り、端末側で自分の位置を計算します。地図の画像を衛星から受け取っているわけでもありません。

Q2. GPSは圏外でも使えますか?

A. 携帯回線が圏外でも、衛星信号を受信できれば位置を求められる場合があります。ただし、地図の取得や新しい情報の検索には別の通信が必要なことがあり、屋内などでは衛星信号を十分に受信できない場合もあります。

Q3. GPSにはなぜ4機以上の衛星が必要なのですか?

A. 通常の測位では、三次元の位置と受信機の時計のずれを一緒に求めるためです。複数の衛星の信号を組み合わせて計算します。衛星の数だけで、端末の位置精度が決まるわけではありません。

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GPSを一文で説明してみよう

「衛星信号による位置の計算と地図データの取得を分け、地図画面の三つの要素を説明できる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。