メールの仕組みとは?送信ボタンから相手の受信箱に届くまでの6つの順番

30秒でわかる答え

メールの仕組みは、送った内容を自分側のメールサーバーが預かり、宛先の@の右側(ドメイン)からDNSのMXレコードで相手のメールサーバーを探して渡し、相手が受信箱を開いて読む流れです。「送信済み」は預かった印で、相手が読んだ印ではありません。

送信ボタンを押すと、すぐに「送信済み」と出る。なのに相手からは「届いていない」と言われる。押してから相手が読むまでの数秒の間に、画面のむこう側では何が起きているのでしょうか。

メールの仕組みは、送った内容を自分側のメールサーバーが預かり、宛先の@の右側(ドメイン)からDNSで相手のメールサーバーを探して渡し、相手がその受信箱を開いて読む、という流れです。 「送信済み」は、自分側のサーバーが預かった印であって、相手が読んだ印ではありません。

漫画:虹の返事は、ネコの顔 全4ページ

ラボから虹の写真を送るイト。ユイは別の場所で、あとからメールを開きます。返ってきた写真には、思わぬ主役が写っていました。

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1 / 4今の空を送りたい

ラボでイトが虹の写真を撮り、別の場所にいるユイへメールを送る。

1ページ目:今の空を送りたい
送る相手がその瞬間に画面を見ていなくても、メールはサービスのサーバーへ渡せます。

1ページ目のセリフ

  • イトとピコはラボ。ユイはこの場にいない。
  • イト「今の空、ユイに見せたいな。」
  • イト「ユイが見てないと、届かない?」
  • 架空の送信画面:宛先 yui@example.com、件名「虹、見つけた」、本文「まどの外、虹が出たよ。」、添付 にじ.jpg、送信。

2 / 4サーバーは何をする?

ピコが送信サーバー・受信サーバー・受信箱を役割とともに示し、端末の開閉を補足する。

2ページ目:サーバーは何をする?
メールを渡すのがSMTP、届け先を調べるのがDNS・MXです。相手の端末の開閉と、サービス側の受信箱へ届くことは別です。

2ページ目のセリフ

  • 図:メールの通り道の例。右から左へ、イトの端末→送信サーバー(送る係)→SMTP(メールをわたすルール)→受信サーバー(受けとる係)→受信箱。受信サーバーと受信箱はユイのメールサービスの側。
  • DNS・MXは送信サーバーだけに灰色の往復線でつながり、宛先ドメイン example.comから届け先をさがす。青い本文配送線とは別。
  • 図の補足:相手のパソコンは、開いていても、閉じていてもOK。受信箱に届いたメールは、あとで読める。
  • ピコ「サーバーは、メールを受けとって運ぶ係だよ。」
  • イト「ユイが見てなくても、受信箱で待つんだね。」

3 / 4離れた場所で読む

しばらくあと、ユイが自宅でパソコンを開いて虹のメールを読む。自分の空を撮ろうとすると、外のネコがカメラに入ってきた。

3ページ目:離れた場所で読む
受信箱のメールはあとで開いて読めます。送る人と読む人が同じ場所・時刻にいる必要はありません。

3ページ目のセリフ

  • ユイの家・しばらくあと。イトとピコはユイの部屋にいない。
  • ユイ「あ、イトから。」
  • 受信画面:ito@example.netからyui@example.comへ、件名「虹、見つけた」、本文「まどの外、虹が出たよ。」、同じラボの虹写真 にじ.jpg。
  • ユイ「こっちの空も、送ってみよう。」
  • ユイ「あっ。」
  • ユイがスマホで自宅の空を撮ろうとすると、塀を通る無名の茶トラの耳が画面へ入る。

4 / 4返事はネコの顔

ラボでイトがユイの返信を開くと、写真いっぱいのネコの顔。空は端に少ししか写っていない。

4ページ目:返事はネコの顔
離れた場所の出来事をメールで伝え合えます。メールで届いたのは添付の写真です。

4ページ目のセリフ

  • ラボ。ユイはこの場にいない。
  • イト「返事が来た!」
  • 返信画面:yui@example.comからito@example.netへ、件名「Re: 虹、見つけた」、本文「こちらは、ネコが出ました。」、添付 ネコ.jpg。
  • 写真には茶トラの顔が大写し。ユイの家の空と低い屋根・塀は端に少しだけ見える。ネコは写真の中だけ。
  • イト「空、ちっちゃ!」
  • ピコ「ネコに主役をとられたね。」

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封筒とサーバーの図はメールの経路を簡略化したたとえです。DNSへ本文を送るわけではありません。送信済みは相手が読んだ証拠ではなく、受信箱に入るまでの遅延や拒否、迷惑メール判定もあります。アドレスと画面は説明用の架空例です。

メールが届く順番を本文で読む ↓

100%

拡大中はマウスや指でドラッグできます。100%では左右スワイプ・左右キーでページ送り。

第84話「メールはどう旅をする?」では、通知の呼び鈴の部屋を出たあと、ラボの郵便路へ進みます。ユイたちは、封筒がどのサーバーを通り、どの受信箱へ入るのかをたどります。

メールの仕組み:宛先のドメインから相手のメールサーバーを探す

メールは、相手のメールアドレスを手がかりに、メールサーバーどうしで本文と添付ファイルを受け渡す仕組みです。端末から相手の端末へ直接飛ぶのではありません。

yui@example.jp に送るなら、自分側のメールサーバーはまず「example.jp のメールは、どのサーバーに届ければよいか」を調べます。ここで使うのが、DNSとはで扱う名前案内の仕組みと、メール用のMXレコードです。行き先が分かったら、自分側のサーバーが相手先のメールサーバーへメールを渡します。

ラボのたとえでは、メールは封筒です。封筒には宛先、差出人、件名、本文、添付ファイルが入り、郵便局にあたるメールサーバーが配送先を調べて運びます。チャットの会話ルームとちがい、別の会社のメールサービスの受信箱にも届けられるのが、メールの大きな特徴です。

イトとユイが、メールが送信側サーバーから相手先サーバーに渡される流れを見ている
メールは端末から相手端末へ直接届くのではなく、メールサーバー同士の受け渡しで受信箱に届きます。

ユイ

通知は呼び鈴でした。メールは、本文を相手の受信箱まで運ぶ感じですね

イト

メールアドレスを書いたら、どうやって相手のサーバーを見つけるの?

ピコ

そこにDNSやメールサーバーの出番があるよ。郵便路として見てみよう

郵便路の全体を、送信ボタンから順に並べます。

メールが送信ボタンから受信箱に届くまでの6つの順番

  1. 利用者がメールアプリやWebメールで、宛先・件名・本文を書く
  2. 自分側のメールサーバーへメールが送られる(ここで「送信済み」になる)
  3. 宛先アドレスのドメインを見て、配送先のメールサーバーをDNSで調べる
  4. 自分側のサーバーが、相手先のメールサーバーへメールを渡す
  5. 相手先のサーバーが、受信箱に入れるか、迷惑メールにするか、受け取りを断るかを決める
  6. 相手がメールアプリやWebメールで受信箱を開いて読む

「送信済み」は2の時点です。「届いていない」と言われたら、3〜5のどこかで止まっているか、6で相手がまだ開いていないかのどちらかです。実際の経路には、差出人の認証、通信の暗号化、添付ファイルの大きさの上限、転送、フィルターも加わります。

マコト

宛先の後ろにあるドメインが、配送先を探す手がかりになるんだね

ピコ

そう。メールアドレスは、名前だけでなく配送地図にもつながっているよ

3の「DNSで調べる」で、Webサイトとはちがう情報を見ています。

メールアドレスの@の右側(ドメイン)とMXレコードの役割

メールアドレスは 名前@ドメイン の形です。@ の右側のドメインが、どの組織やサービスのメールとして扱うかを示します。自分側のメールサーバーは、このドメインでDNSを調べ、メールの配送先を書いた情報を読みます。その情報がMXレコードです。

Webページを開くときは、同じドメインからWebサーバーの住所を調べます。メールを送るときは、同じDNSの中でも、メールを受け取るサーバーを示すMXレコードを見ます。だから「Webサイトは見えるのにメールが届かない」という状態が起こります。見ている行が別だからです。

イトとマコトが、メールアドレスのドメインから配送先メールサーバーを探す流れを確認している
メールでは、宛先のドメインを手がかりに、受け取るメールサーバーを探します。
見ているもの関係する場所
Webサイトを開くWebサーバーの住所
メールを送るMXレコードとメールサーバー
所有確認や迷惑メール対策TXTレコードなどの設定

配送先が決まったあと、サーバーどうし、そして受信箱と端末の間では、役割ごとに別の約束ごとが使われます。

メールのSMTP・IMAP・POPの違い:送る約束と読む約束

SMTPは、メールを送るための約束ごとです。送信アプリから自分側のサーバーへ渡す場面と、メールサーバーどうしで受け渡す場面で使われます。

IMAPとPOPは、受信箱のメールを読むときの約束ごとです。IMAPはサーバー上の受信箱と同期しながら読むので、スマホとPCで同じ状態になります。POPはメールを端末へ取り出して読む方式です。いまのメールサービスはWebメールやアプリ独自の仕組みも組み合わせているので、設定画面に出る名前で役割を見分けます。サーバー側の入口の番号はポート番号とはで見えます。

役割何に近いか
SMTPメールを送る、サーバー間で渡す
IMAPサーバー上の受信箱と同期して読む
POPメールを端末へ取り出して読む
Webメールブラウザでメールサービスの画面を開く

渡す約束と読む約束がそろっていても、相手先のサーバーが受信箱に入れるとは限らない段階が、5番目にありました。

メールが届かない・迷惑メールに入る理由:届く前の安全確認

相手先のメールサーバーは、届いたメールを受信箱に入れるか、迷惑メールに振り分けるか、受け取りを断るかを決めます。見ているのは、差出人、送信元のサーバー、本文、添付ファイル、リンク、過去の評価、送信側ドメインの設定です。仕事のメールが迷惑メールに入る、添付ファイルだけ止まる、特定の相手にだけ届かない。この三つは、どれもこの確認で起きています。

届かないと言われたら、見る順番は送信側 → DNS(MXレコード)→ 相手先のサーバー → 相手の迷惑メールフォルダです。まず相手に迷惑メールフォルダを見てもらうのが、いちばん早く答えが出る一歩です。

ユイとマコトが、届いたメールを受信箱に入れるか注意トレイに分ける安全確認を見ている
メールは届く前に確認され、受信箱へ入るものと注意が必要なものに分けられる場合があります。

同じ道は、なりすましにも使われます。見覚えのないリンクや添付ファイル、急がせる文面、差出人の表示名とメールアドレスの不一致は、読む側で止まる手がかりです。見分け方と開いてしまったときの対処は、フィッシングとはにまとめてあります。

メールとチャット・プッシュ通知の仕組みの違い

メール、チャット、プッシュ通知は、どれも「知らせる」場面で使われますが、画面のむこう側の役割は別です。

仕組み近い役割
メール宛先アドレスを使って、受信箱へ本文を届ける
チャット会話ルームの参加者へ、メッセージと状態を届ける
プッシュ通知アプリを開いていない端末へ、新着の合図を出す

メールは、別々のメールサービスどうしでもやり取りできる仕組みとして使われてきました。チャットは、特定のアプリの会話ルームの中で状態をそろえます。通知は、その新着を画面の外から知らせる呼び鈴です。

ここを分けておくと、「メールは届いたが通知が出ない」「チャットには来たがメール通知は来ない」「迷惑メールに入っていた」が、それぞれ別の場所の話だと分かります。データがネットワークを通る考え方全体はデータ通信の仕組み、投稿やタイムラインの流れはSNSの仕組みへ続きます。

メールの仕組みを、自分のメール画面でたどるワーク

自分のメール画面を見ながら、封筒の通り道を言ってみます。

  1. メールアドレスの @ の右側にあるドメインを見る
  2. 送信済み、受信箱、迷惑メール、下書きの違いを見る
  3. 添付ファイルがあるなら、大きさと種類を確かめる
  4. 受信が遅いときは、相手側、こちら側、迷惑メール判定を分けて考える
  5. 不安なメールは、リンクを押す前に差出人アドレスと公式の画面を確かめる

メールは、端末から相手端末へ直接届くのではなく、____________を通って届きます。
宛先のドメインから配送先を探すときは、____________が関係します。
届かないときは、送信側 / DNS / 相手先サーバー / 迷惑メール判定を____________見ます。

答えの例は、「メールサーバー」「MXレコード」「分けて」です。

メールの仕組みでよくある質問

Q1. 「送信済み」になったら、相手はもう読めますか?

いいえ。「送信済み」は自分側のメールサーバーが預かった印です。そのあと相手先のサーバーへ渡り、受信箱に入り、相手が開いて初めて読まれます。

Q2. MXレコードは何をしていますか?

宛先ドメインのメールを、どのメールサーバーに届けるかを示しています。Webサイトの住所とは別の行です。

Q3. メールとプッシュ通知は同じですか?

同じではありません。メールは本文を受信箱に届ける仕組みで、プッシュ通知は端末へ新着の合図を出す仕組みです。

メールが届かないときは、「送信済み」の先を順にたどる

冒頭の「送信済みなのに届いていない」に戻ります。「送信済み」は、自分側のサーバーが預かったところまででした。その先で、DNSで相手のサーバーを探して渡し、相手のサーバーが受信箱に入れて、ようやく相手が開けます。届いていないと言われたら、この順にどこで止まったかを探せば、迷惑メールの箱を見るべきか、宛先の打ち間違いを疑うべきかが決まります。

今すぐできる一歩は一つです。自分のメールアドレスの @ の右側を読み、どの会社のサーバーが自分の郵便局なのかを言ってみてください。次に「届いていない」と言われたとき、どこから見ればよいかが、その一言で決まります。

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TERM PRIMER

メールの仕組み|この記事で使った言葉

メール
宛先のアドレスへ、文章やファイルを送る仕組みです。
SMTP
メールを送るときに使われる通信の約束ごとの一つです。
MXレコード
そのドメイン宛てのメールを、どのサーバーが受け取るかを示すDNSレコードです。
メールサーバー
メールを受け取り、保管し、宛先へ渡すサーバーです。
IMAP
メールをサーバーに置いたまま読むための約束ごとです。

LAB WHITEBOARD

メールの仕組みを一文で説明してみよう

「メールが送信アプリ→自分側のメールサーバー→DNSのMXレコード→相手先メールサーバー→受信箱の順に届くことを言え、届かないときに送信側・DNS・相手先・迷惑メール判定のどこから見るかを決められる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。

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